コロナ禍の高校3年生たち⑤  レスリング 深水小鉄(日本文理大学付属) 果たせなかった日本一の目標は大学で

2020/12/10
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 新型コロナウイルスの感染拡大で次々と大会が中止となった2020年。県や、それぞれの競技独自の大会で練習の成果を発揮できた者もいれば、不完全燃焼のまま競技を辞めた者もいる。多くの高校3年生にとって想定外だった1年間を振り返り、今後はどのような道を歩むのか、「コロナ禍の高校3年生たち」と題してそれぞれのドラマをひもといた。

 

 3歳から始めたレスリング。父が学生時代にレスリング選手だったこともあり、「物心つく前から遊びの一環だった」と深水小鉄は振り返る。辞めたいと思ったことは何度もあったが、競技は「生活の一部だった」。小学校の頃はサッカー、中学は卓球部に入部したが、中学卒業と同時に親元を離れて日本文理大学付属高校に入学したのは「日本一の選手になりたかったから」。父親の勧めもあり、勝龍三郎監督の指導を仰ぐことになる。

 

 初めての寮生活、環境の変化に不安はあったが、「同じ階級の人が複数いて部員も多い。先輩も優しかった」とすぐになじんだ。これまでは実戦形式の練習が多かったが、日本文理大学付属では技術練習が多く、「技のレパートリーが増え、覚えれば覚えるほど面白くなった」。積極的に自主練習に取り組むようになり、寮に帰ってからも動画を見ては翌日の練習で試し、体得する。3年間、変わらぬルーティンだ。得意技の「かぶり返し」も、多くの動画を研究して身につけた。

 

全国高校選抜大会で3位となった深水小鉄

 

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