グッドルーザー③ 女子バスケ大分 覚悟の差を埋める強化6カ年、最終章へ

2019/11/06
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 スポーツにおいて勝つために必要な要素は、ひたむきさであり、競技への純粋な愛や情熱であったりする。勝者はその思いが誰よりも強い。敗者は次の勝者になるために心血を注ぐ。今年も晴れ舞台を目指し、県予選を戦った高校生たち。全てを出し切り笑顔を見せる者。悔しさで表彰式では素直に喜べなかった者。ここでは、あと一歩及ばず全国に届かなかった「美しき敗者」を追った。

 

 今年の全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)県予選決勝は、前評判どおり中津北と大分のカードだった。全国まであと一歩のところまで着実に成長を続けてきた大分だが、伝統校として君臨する女王の力強さを前に、初優勝の目標達成はまたも持ち越しとなった。

 

 「前半は互角に戦えて当たり前。勝負は後半だと予想していた」。試合後、楠本哲二監督が振り返ったように、前半6点差と食らいついた。大分はエースでキャプテンの秋吉楓(2年)の高い技術を筆頭に、有墨遥野(2年)がインサイドとアウトサイドの両方から攻め、山田晶(2年)の鋭いカットイン、センターの牧唯夏(2年)のリバウンドやゴール下の強さなど、それぞれが役割をしっかり果たした。そして今大会までに強化を重ねたシュートに結びつけるナンバープレーなど以前に増して機能し、中津北のオールコートディフェンスにも動じず、的確な判断で得点を決める場面も多く見ることができた。後半もこの勢いで入ることができれば接戦に持ち込める…という期待が膨らむ戦いぶりを見せてくれた。

 

秋吉楓の高い技術は光ったが勝利に導けなかった

 

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