
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
強化3年計画を終え、チームを引っ張ってきた選手が抜けた穴は大きかった。新チームとなって初の公式戦、県高校新人大会では思うような戦いができず、準決勝で臼杵に完敗。方向性を模索する日々が続いた。
大きな変化が訪れたのは今春。新1年生として、中学選抜のキャプテン嵯峨暖菜、同エースの秦佳叶が加わり、チーム力が飛躍的に上がった。「元々、守りは良かったが、そこに攻撃力のある2人が加わったことでいい化学反応を起こしてくれた」(森栄一郎監督)
センターの嵯峨は技巧派選手。長身から繰り出すスパイクはコースが読みづらく相手を翻弄し、ブロックで仕留めることもできる。レフトの秦は大分でもトップクラスのパワースパイカー。ジャンプ力があり、恵まれた体躯から強烈な球を叩き落とす。
「1年生だからミスしてもしょうがない、は通用しない。自分にできることを精一杯して3年生にとって最高の試合にしたい」(嵯峨)、「相手が嫌がるプレーを考えて実践したい。目標は東龍(東九州龍谷)を倒して優勝すること!」(秦)。中学から大舞台を経験しているだけあり、考え方も度胸も高校1年生のレベルをはるかに超えている。
加えて、昨年夏からけがで休んでいたキャプテン後藤優姫(3年)の復帰も大きい。復帰戦となった県高校新人大会では、本調子と呼ぶには程遠かったが、現在は万全に近い状態だ。戦力的にも、精神的にもチームを活気づけている。
県高校総体では、決勝リーグ戦の初戦で東龍との対戦が想定される。潜在能力が高いとはいえ、1年生の2人はまだ経験値が低い。チームに加入して日が浅いため連携などにも不安がある。決勝リーグ最終日では臼杵、国東との連戦も控えており、初戦の試合内容が大きなキーポイントになりそうだ。
県高校総体に向けて戦力は整いつつある
後藤優姫(3年)
ウイングスパイカー、165m、朝日中学校出身
精神的支柱であり、守りの要であるキャプテン。昨年夏にけがを負いチームを離脱していたが、2月の県高校新人大会で復帰した。
「自分のポジションに他の人が入っていると焦りを感じた。復帰するために、真剣にリハビリに取り組んだ」。けがで休んでいる間も練習には毎日顔を出し、復帰に備えていたという後藤。半年以上、悶々とした時期を過ごしただけに最後の県高校総体に懸ける思いは誰よりも強い。
目標は最低でも九州大会出場。「大事なところで連続失点が多いので、ミスをなくし、全員で団結して戦いたい」。けがを乗り越え臨む今大会は九州大会出場を目標としてあげたが、その瞳はさらに先を見ているようだ。
決して身長が高いとはいえない大分商業は、キャプテンの強い思いを軸に、拾い、つなぎ、全員バレーで打倒東龍を目指す。
県高校総体直前特集
バレーボール女子 ①東九州龍谷 新体制となっても高速バレーは不変 目指すは日本一のみ
(甲斐理恵)
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