県高校総体直前特集 バレーボール女子③ 臼杵の逆襲、窮鼠ライバルをかむ

2019/05/30
  • 高校総体

 5年ぶりに東九州龍谷(東龍)から1セットを奪った2月の県高校新人大会は、自信になると同時に油断と甘えも生んだ。続く4月の全九州総合選手権大会県予選会では準決勝で国東相手にリードを保ちながら、逆転負け。「選手たちは現状に満足していた。負けるべくして負けた」と、辻郁徳監督の評価は厳しい。

 

 一番の課題は、ハングリー精神の欠如だという。「向上心が足りない。1カ月後、2カ月後、自分がどうなりたいか見えていない。練習すること、汗を流すことに満足している」。辻監督は選手たちの意識を変えるために、県高校総体で勝つにはどうすればいいのか、そのために今何をする必要があるのか―。練習前、ホワイトボードに書いて何度も説明する。練習中も頻繁にプレーを止め、「通過点を高く!」「今の課題は?」など、一人一人の名を呼びながら問題点を指摘し、時には問答形式で自覚を促す。

 

 選手たちは手探りながら、監督の思いに答えようと必死だ。コート上で積極的に声を出す、プレーについて考える、練習後は毎日体育館上部に掲げた“打倒東龍”の文字に向かって、「絶対勝つ」「優勝する!」、思いのたけを叫び、自分自身を鼓舞する。

 

 攻守で大きな存在感を放つキャプテンの小田彩乃(3年)をはじめ、攻撃の要であり、勝敗の鍵を握る平川梨穏(3年)、オールラウンダーとしてチームを支える金子沙耶(2年)、1年生ながら負けん気の強さでチームを盛り上げる久保七彩、東夢羽らキーパーソンとなる選手たちは課題を自覚しながらも気合十分。練習からは熱気が伝わってくる。

 

 「新人戦は(東龍から)1セット取ったとはいえ結局負けている。全九州は言わずもがな。今回雪辱を果たせるか、果たせないかにチームの今後がかかっているといっても過言ではない」(辻監督)

 雪辱を果たす!を合言葉に、負けられない戦いに挑む。

 

勝ちたい思いは日ごとに増す

  • LINEで送る

関連記事

ページトップへ