
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
革新派の佐藤優介監督のもと、成長を続ける国東にとって全九州バレーボール総合選手権大会は大きな分岐点となった。初戦を鎮西(熊本県)にストレート勝ちし、続く創成館(長崎県)にはフルセットの末に惜敗したが、九州の強豪相手にベスト8を勝ち取った。大会での結果もさることながら、県第2代表として出場し、間もなく始まる県高校総体では第2シードとなったことは大きな収穫だ。
これまで絶対王者である打倒・東龍(東九州龍谷)を掲げながら、臼杵、大分商業の後塵を拝し、第4シードが指定席であった。東龍への“県内最強の刺客”の地位をようやく手にし、準備を着々と進める。国東に赴任して5年目となる佐藤監督は「パワーは過去最高。スパイクもサーブも強さが出た」と手応えを感じずにはいられない。年間ビジョンを考え、詳細な練習計画を練り、結果に結びつけた。
最も顕著な現象が選手の肉体改造だ。県内の高校女子スポーツで積極的に筋力トレーニングを取り入れるのは少数だが、外部のフィジカルトレーナーを招へいし、週1回バレーボールに必要な身体能力を高めた。また、動体視力を高めるトレーニングなど、常に新しいことを追求しては選手に刺激を与える。この1年間の選手のプレーの力強さ、キレは一目瞭然。成長著しい選手の一人、中山佳音(3年)は、「ブロックが高くなり、プレーの精度も高くなった」と体の変化を実感する。
結果が出たことで自信がみなぎっている。それは選手全員で考えた宣言文に凝縮されていた。「私たちは高校総体で優勝します。会場の空気を国東に染め、東龍の歴史を破り、私たちの時代をつくります」と始まるのだが、一つ一つの言葉に力があり、強烈に心を揺さぶる。
佐藤監督は選手の成長に目を細めるが、「自信を持つことはいいことだが、それが油断や慢心になってはいけない。勝ち負けを意識し過ぎず、今あるものを全て出せるような試合をしなければいけない」とくぎを刺すことを忘れない。国東の改革が今、始まろうとしている。
最高の笑顔で県高校総体を終えると誓った部員
中山佳音(3年)
ミドルブロッカー、172cm、宗近中学校出身
昨年8月の1、2年生を中心とした「県フレッシュバレーボール優勝大会」で優勝した時にはコートに立っていない。その後サイドアタッカーからミドルブロッカーにポジションを転向してから、得意のブロックがチームの戦い方にフィットし、急激に成長した。佐藤監督は「彼女のブロックはチームに勇気と勢いを与える」とチームに欠かせない存在であることを認める。
県高校総体では「まずはできるプレーを最大限に生かし、チームにいい流れをつくりたい」と中山。決勝リーグでは臼杵、大分商業に勝ち、東龍と全勝対決となることを描く。「新チームになり臼杵も大分商業も東龍に1セット取っている。私たちだけ東龍からセットを取っていない。東龍戦は第1セットを先取して、フルセットまで持ち込めば勝てる可能性はある」と語った。
県高校総体直前特集
バレーボール女子 ①東九州龍谷 新体制となっても高速バレーは不変 目指すは日本一のみ
(柚野真也)
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