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バレーボール男子 別府鶴見丘 以心伝心、木下ツインズが勝利をもたらす

バレーボール男子 別府鶴見丘 以心伝心、木下ツインズが勝利をもたらす

 高校1年時からレギュラーとして活躍し、全国高校総体(インターハイ)や春の高校バレーなど全国大会を経験した別府鶴見丘の双子選手、木下草太郎と弟の福太郎は最終学年となり、「全国で勝ち上がりたい」との思いは強くなっている。

 

 小学1年からバレーを始めた草太郎と福太郎。当時から福太郎は「試合を組み立て、みんなが気持ちよくスパイクを打って、決めたときに喜んでいるのを見るのが好きだった」とセッターとなり、草太郎はスパイカーとして上達した。練習が終わっても遊びはバレー。食べる、寝ると同じように生活の一部にバレーがあった。手に吸い付くようなハンドリングは、ボールに触れた時間の長さを証明している。

 

 福太郎がトスを上げて、草太郎がスパイクを決める。二人の関係が変わったのは、高校になってから。レシーブ力に定評があった草太郎がリベロに転向した。「基礎、基本がしっかりしていた。リベロに必要な粘り強さと忍耐力があり、誰よりもコツコツと練習した」と丸山野涼介監督。草太郎にとってリベロは適正ポジションだったのだろう。メキメキと頭角を現し、1年生ながら先発の座を射止めた。草太郎の活躍は福太郎に刺激を与えた。ポーカーフェイスで勝負士の福太郎は、トスワークを磨き、チームメートの信頼を得ることで不動のセッターとしての地位を築いた。

 

守備の要となる木下草太郎

 1年の頃から憧れのインターハイ、春の高校バレーに出場し、順風満帆のバレー生活を謳歌していたが、二人が共に“黒歴史”として語ったのが、昨年の県高校総体で優勝を逃した試合だ。草太郎が「これまでやってきたことを一度リセットして、勝つためのプレー、気迫あるプレーをしたいと思うようになった」と話せば、福太郎は「気持ちが足りなかった。試合展開や味方のコンディション、最高のトスワークは日頃の練習から積み上げなければいけないと再確認できた」と、勝ちたい思いをプレーで表現することの重要さを知った。

 

 あれから1年、リベンジとなる県総体が2週間後に控える。二人は練習から率先して大きな声を出し、チームの雰囲気を高める。コンディションも良く、阿吽(あうん)のプレーは健在。「際どいボールでも草太郎が拾い、返しどころが分かっているかのように福太郎がつなぐ。以心伝心を感じる」と丸山野監督。チームにはエースの清田晟ノ祐(3年)をはじめ主役となれるスパイカーが多い。守備の要の草太郎、攻撃のタクトを振るう福太郎がチームを縁の下で支える。草太郎、福太郎の思いは同じだ。「チームが勝てばいい。そのために自分にできることをやる」

 全国大会ベスト8に向けて、まずは県代表の座を射止める。

 

チームメートからの信頼が厚い木下福太郎

 

(柚野真也)