
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
県高校新人大会のサッカー最終日は9日、大分市のだいぎんサッカー・ラグビー場で決勝があった。大分が大分工を3―0で下し、2年ぶり9回目の頂点に立った。両校は九州大会(16~19日・熊本)に出場する。
全国高校総体、全国高校選手権に出場した大分だが、その強さは今大会でも揺るぎなかった。準々決勝までの3試合は僅差での勝利が続いたが、尻上がりに調子を上げ、決勝では前回準優勝の大分工業に3-0の完勝を納め、新チームとして幸先の良いスタートを切った。
序盤こそ、「パスで動かせていた」と大分工業の友成義朗監督が語るように、大分は相手に主導権を握られた。しかし、大分のキャプテン・佐藤芳紀(2年)は「全員が落ち着いてプレーできていた」と振り返る。しっかり球際で競り合い、ボールを奪ってからはロングボールを織り交ぜながら最終ラインの背後を突くようになると、徐々に攻撃に迫力が生まれてくる。前半10分には、この日初めて得たCKのチャンスで先制。瀬藤聖人(2年)がGKの飛び出せない絶妙な位置に蹴り込み、永松恭聖(2年)が頭で合わせネットを揺らした。
「早い時間帯に先制したことで、パスワークもテンポも良くなり流れができた」と重見柾斗(2年)。永松とともに中盤で自由にポジションチェンジしながら、緩急をつけたパスで試合を組み立て、守備では相手の好機の芽を未然に摘み取った。
大分工業に小さくないダメージを与えて迎えた後半、それまで1トップの位置にいた菊地孔明(2年)のポジションを一つ下げたことで、中盤の構成力が増した。上の学年でも主力として試合に出場していた永松、重見、菊地が並ぶ中盤は、全国高校選手権を経て、大きな成長を遂げていた。「何も言わないでも、どこでパスがほしいのか分かる」(永松)とアイコンタクトでゴールまでのイメージを共有できるようになった。3人のパスワークに周囲も連動した攻撃は厚みを増し、後半7分は中盤でのパスカットから左サイドに展開し、田中脩人(1年)の折り返しを長沢真人(2年)が決めたシーンは流麗だった。同20分には永松のPKで試合を決めた。
2年ぶりの優勝を決めた大分
大分工業はスペースを消され、序盤以降はパスの周りがやや停滞した。スピードがあり、打開力のある右サイドの三重野千尋(2年)までボールが回らず、友成監督は「ウチの特徴を封じられた。逆サイド(左サイド)で崩せればよかったのだが」と悔やんだ。ただ、新チームとなり目指したパスサッカーは形となり、決勝まで進出したことが選手の自信となった。GK加藤享佑(2年)は随所で好セーブを見せ、持ち味を発揮した。
個々の能力だけでなく、勝負どころで決定力や状況に応じた修正力など、さまざまな面で相手を上回った大分が、貫禄の勝利。新チームとなり初めての公式戦でタイトルを手にした。
後半は中盤で試合をつくった菊地孔明
県高校新人サッカー大会 準決勝レポート→決勝は大分と大分工業が対決
(柚野真也)
地区を選択
学校名を選択