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明豊高校 目標に到達できずも、実りある秋の九州大会終える

明豊高校 目標に到達できずも、実りある秋の九州大会終える

 「目標の優勝に届かなかったが、下級生が多い中でチャンレンジしてくれた。収穫は多く、冬場の練習で2段階、3段階レベルアップできる」。川崎絢平監督が総括した九州地区高校野球大会で、明豊は春秋連続の準優勝となった。来春の選抜高校野球大会への九州地区の出場枠は4つであり、大きな手応えをつかんだ。

 

 九州地区高校野球大会では4試合で30得点を奪った強打が光った。怖いもの知らずの1年生が思い切り良くスイングし、2年生の4番・野辺優汰らは勝負強く、打線に安心感を与えた。新チームになってから四番打者に固定されている野辺は、今夏の全国選手権大分大会で準決勝敗退の悔しさを抱え、「チームのために自分に何ができるかを考え抜いた」とチーム打撃を貫いた。その結果、今大会では14打数5安打8打点とチームの勝利に貢献した。

 

 その野辺の後を打つ藪田源(2年)は187㌢の大型外野手。県予選で2本塁打を放ち、打撃が開花した。一見、窮屈そうな構えであるが、コンパクトなスイングから長打を放つ。九州地区高校野球大会では「ボールを当てることを考え過ぎ、思い切り振れていなかった」と不振が続き、準決勝の満塁本塁打以外はインパクトを残せなかったが、後続の表悠斗(2年)、成田武蔵(2年)が打線をつなぎ大量点を呼び込んだ。自慢の打線は切れ目がなく、今後も「打ち勝つ野球」を標榜する。

 

準決勝で満塁本塁打を放った藪田源

 

 一方、投手陣は170㌢の小さな1年生エース若杉晟汰が力投した。準決勝までの3試合で先発を任せられ、試合をつくった。川崎監督が「今年の夏に投げさせても良かったが、無理をさせず秋に照準を絞った」と話したように、今大会でエースナンバーを背負った左腕は、キレのある直球で打者のインコースを強気に狙い、凡打の山を築いた。2番手以降の大畑蓮(2年)ら3投手は登板回数が少なかったが、持ち味を生かした。

 

 冒頭の監督の言葉通り、先発メンバーの半分以上が1年生のチームだが、2年生が気負わずに実力を発揮できる雰囲気をつくっている。「伸び伸びプレーができるのは2年生のおかげ。練習の雰囲気もベンチの雰囲気もいい」と若杉。九州の強豪校と4試合戦った経験は若いチームには何よりの財産となった。選抜大会の出場権を獲得できれば、さらに大きな経験を得ることになる。「前半飛ばし過ぎて最後の詰めが甘くなる」。今大会で出た課題であるが、「力を温存することなど考えていない。最後まで意識高く、集中した試合ができるようになればいい」と川崎監督。さらなる成長に向け、冬場に力を蓄え、春夏の甲子園出場を目指す。

 

エースとして期待される若杉晟汰

 

 

明豊高校 県予選の記事はこちらから→九州地区高校野球大会県予選 決勝

 

(柚野真也)