国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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水泳 記録更新は成長の過程に過ぎない 御手洗大心(佐伯鶴城2年)
県高校新人大会水泳競技の男子50m、100m背泳ぎで短水路県新記録、200m背泳ぎで大会新記録をマークした御手洗大心(佐伯鶴城2年)。「調子は良くなかったし手応えもなかったが、練習で一本一本試合を想定して泳いだ成果が出たのだと思う」と笑顔を見せた。
のんびりとした性格で、人と争うことを好まない御手洗にとって「自分との戦い」である水泳は相性が良かった。「自己ベストを更新したときのうれしさがたまらない」と、自分の限界に挑戦してきた。大きく綺麗なフォームで水をつかみ、キックも波立たない静の泳ぎは御手洗の内面的なものを表現しているのではないかと思わせる。
県高校新人大会で数々の記録を更新した御手洗大心
ただ、勝負の世界に争いごとはつきもの。「九州レベルの大会では伸び伸びと泳ぐが、全国に出ると力みが出る」と下城智宏監督。今夏の全国高校総体(インターハイ)、国体では、気迫あふれるライバルたちに気後れし、結果を出せなかった。負けたことも悔しかったが、自分の泳ぎができなかったことを悔いた。「このままでは終われない。大きな大会で表彰台に上りたい」と内に秘めた闘志に火がついた。
来シーズンに向けて、まずは肉体改造を施す。体脂肪を増やし、浮力をつけるために夕食は丼ぶり飯2杯をノルマとしている。171cm、58kgと細身で少食の御手洗にとっては苦行だが、「今は一つ一つステップを踏んで、冬場の鍛練期に向けて土台を作ればいい」と下城監督の教えを守り、「食育」に取り組む。
好物の納豆をおかずに大盛りご飯と向き合う毎日は続くが、「体を大きくし、後半にバテないスタミナをつけたい」。県高校新人大会での好記録は、御手洗にとって過程に過ぎない。「自分との戦いに勝って、勝負にも勝ちたい」。春には一回り大きくなった御手洗の泳ぎが見られそうだ。
来春は全国大会での表彰台を目指す
(柚野真也)