OITA SPORTS

7/1 TUE 2025

supported by

中津リアルエステートセンター

その他

アーチェリー 明るく、ポジティブ。迷いなく射抜く 河野零央(大分東明2年)

アーチェリー 明るく、ポジティブ。迷いなく射抜く 河野零央(大分東明2年)

 粛々と競技を行う選手が多い中、軽快なテンポで矢を射抜き、一射ごとにガッツポーズをする河野零央(大分東明2年)は異色だ。この競技がアーチェリーでなければ、それほど違和感はないのだろう。ただ、高校生らしく、明るく、元気。悪い印象は全くない。

 

 県高校新人大会の個人70m男子で優勝した。予選では優勝候補の宮成孝輔(大分東明1年)に17点差の2位通過だった。3射5セットマッチの勝ち抜きトーナメントで行われる決勝ラウンドでは、河野は「(72射を打つ)予選より数が少ないし集中しやすい。相手より得点が上回ればいい」と迷うことなく早いテンポで的を射抜き、勝ち上がる。

 

テンポ良く射抜き優勝した河野零央

 

 試合後、河野が「気持ちが安定していたし、今日は楽しかった」と振り返ったように笑顔が絶えなかった。宮成と対戦した決勝では、時折風が吹き、的中精度を考え風がやむのを待った宮成に対し、河野は準決勝までと同様に早いテンポで射抜く。「宮成の調子が悪かっただけ」と話したが、迷うことなく自分のスタイルを貫き通したことが結果につながった。「これまで勝ったことのない宮成に勝って優勝したのは自信になる」と手応えをつかんだ。

 

 コンディション、メンタルがかみ合えば、テンポよく射抜く河野のスタイルは好結果を招く。逆に歯車が一つでも狂えば修正は難しい。表裏一体のスタイルだが、「このスタイルは僕に合っている。雑にならないように集中して射たい」。

 

 九州大会では“全国標準”となる600点ではなく590点を目指すという。「自己最高が589なので目標は590。そんなに簡単に記録は伸びない。一つずつ積み重ねて、その先がある」。まずは届きそうな目標を立てる。この堅実さを備えていることが河野の強みなのかもしれない。「今日は素直に優勝を喜んで、天狗(てんぐ)にならないように明日から練習する」。この明るさもいい。

 

明るくおどけるが堅実さも備えている

 

(柚野真也)