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夏の甲子園 注目選手 明豊野球の体現者・高木真心(3年) 【大分県】

夏の甲子園 注目選手 明豊野球の体現者・高木真心(3年) 【大分県】

 今年の全国高校野球大分大会は代打で始まった。4年連続で夏の甲子園出場を決めた明豊の高木真心(3年)は、5月に骨折した右手首を手術し、メンバー入りも危ぶまれたが、川崎絢平監督が掲げる「考える野球」を体現する選手として信頼は厚かった。「簡単に三振にならず、球数を投げさせることができる。選球眼だけでなく、技術もあり、バントも盗塁もできる。自分のチームに高木がいてくれて本当によかった。相手だったらと思うとゾッとする」と最高の賛辞を送る。

 

 大会1週間前に、ようやくバットを振れるようになった高木は「焦りしかなかった」と述懐する。苦しむ高木に川崎監督自らが練習後にバッティング投手となり、本来の姿を取り戻すまで付き合った。「1年の頃から監督に投げてもらうと調子が上がった。監督は僕の内面を見抜き、付き合ってくれたのだと思う。本当にありがたかった」と感謝した。

 

全てのプレーが高水準の高木真心

 

 初戦となった2回戦は三振で終わったが、3回戦は9番に入り、4回戦以降は不動の2番打者として監督の期待に応えた。「何でもできる自信」は自他共に認める武器だ。巧みなバットコントロールで安打を重ね、塁に出れば常に投手にプレッシャーを与える走塁技術とスピードがある。今大会は5試合で7打点と勝負強さも発揮した。時にチャンスメーク、時にポイントゲッターとして、チームを勝利に導いた。

 

 明豊のユニフォームに憧れ、熊本から家族で引っ越し、明豊中学に入学した。3年の夏から高校に備えて軟式から硬式に移行し、すぐに順応。明豊高校入学直後から頭角を現わし、1年の夏には甲子園を経験。川崎監督は「1年の夏から起用している。高木の経験はチームにとって大きな財産となる」と期待する。春夏合わせて4度目の甲子園。真価が問われる最後の夏であることは、誰よりも自分が分かっている。四球、犠打、進塁打、走塁、相手のミスを突く攻撃など、ノーヒットで1点を奪う野球の醍醐味(だいごみ)を知る。「勝つために最善のプレーをするだけ。6年間支えてくれた両親、そして監督に日本一をプレゼントしたい」。結果で恩返しするつもりだ。

 

監督の狙いを確実にプレーで体現する

 

 

(柚野真也)