県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
全国高校野球大分大会 グッドルーザーたち 大分舞鶴は悔しさを糧にはい上がる【大分県】
第106回全国高校野球選手権大分大会
決勝 7月27日 別大興産スタジアム
明 豊 020 109 000|12
大分舞鶴 030 001 002|6
3度目の決勝進出に大分舞鶴のモチベーションは最高潮に達していた。準決勝では、エースの秋田康介(2年)が完投し、打線も終盤に集中打を浴びさせ逆転、粘り強さを発揮した。河室聖司監督は「甲子園は遠い存在ではない」と語り、キャプテンの若杉悠諒(3年)は「自分たちがやってきた守備からリズムをつくる野球ができれば、どこが相手でも結果はついてくる」と強い意気込みを持って、明豊との決戦に臨んだ。
「3点勝負になれば勝機はある」(河室監督)と描いた青写真。2回に2点を先行されたが、三浦佑樹(2年)の三遊間適時打で逆転に成功する。中盤まで狙い通りの接戦に持ち込んだが、筋書き通りに事は運ばなかった。秋田は序盤から明豊打線の重圧を感じていた。連戦の疲れからか球にキレがなく、持ち味の制球を発揮できずにいると、6回に守備の乱れから大量点を許しマウンドを降りた。「向こうのほうが強かった」。調子は良くなかったとしつつも、言い訳はしなかった。
新チームでもエースを担う秋田康介
河室監督は「なんとか食らいついていたが、ミスの連鎖が出てしまった」と振り返った。全体の流れを見れば大分舞鶴にもチャンスがあったとも言える。だが、ポイントとなった局面でミスが重なった。チームに動揺が走り、明豊はその隙を見逃さなかった。
ここ一番でみせる集中力、一球に対する執念。それ自体は紙一重のわずかなものだ。だが、ワンプレーではわずかな差であっても、それが積み重なれば、最終的な結果に明白な違いが生まれる。
最後の打者となった若杉はその差を痛烈に実感した。試合後は涙が止まらなかった。「これまでやってきたことに間違いはないが、まだまだ完成度が低かった。この悔しさを忘れず、何とか甲子園に出られるように頑張ってほしい」と後輩に思いを託した。
3年生を送り出し、新チームが動き出す。エースの秋田、リードオフマンの三浦、四番を打った四井真人(2年)が屋台骨となる。決勝の舞台で味わった悔しさを糧に飛躍を遂げることができれば、甲子園は近づくはずだ。
キャプテンの若杉悠諒
(柚野真也)