県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
全国高校野球大分大会 最高の形で準決勝に挑む津久見 【大分県】
第106回全国高校野球選手権大分大会
準々決勝 7月23日 別大興産スタジアム
津 久 見 001 002 010|4
大分上野丘 000 000 000|0
4強入りの最後の椅子を勝ち取った津久見。初戦となる2回戦の日出総合戦から苦しみながら勝ち上がってきたが、準々決勝の大分上野丘戦では3投手による完封リレーで復調、今大会最大の山場となる準決勝・明豊戦に向けて最高の形で臨む。
準々決勝の試合後、藤丸崇監督は「大会を通じて成長してきた。自分たちの野球を信じ、相手と戦えるチームになった」と充実感を漂わせた。この試合、エース佐伯和真(3年)を先発に指名。「エースナンバーを背負う佐伯に奮起してもらうためにチャンスを与えた。夏の大会はエースを信じないと頂点を目指せない」と本調子とはほど遠く、制球が定まらない悩めるエースに命運を託した。
2番手でマウンドに上がった是永凜太郎
自信を失っていたエースに、藤丸監督は初戦からの投球内容を一緒に整理し、技術的な部分と精神的な要素を分析して寄り添った。佐伯は「プレッシャーに押しつぶされそうになったが、最後は開き直れた」と心身ともに充実してマウンドに立った。最速150キロの直球こそ出なかったが、低めにボールを集め、5回3分の1を被安打ゼロ、三振六つを奪う快投を披露した。エースの復活に、継投した是永凛太郎(3年)や木野村福太朗(同)も触発され、相手打線に付け入る隙を与えなかった。両投手とも安定感があり、今後も大崩れすることはなさそうだ。
打線は瞬足の松下陽音(同)がリードオフマンとして出塁率の高さを誇り、好機をつくっている。中山飛龍明(同)は今大会3試合で6打点と勝負強さを発揮している。明豊戦に向けてチームの雰囲気は良く、「それぞれが自分の役割を果たすだけ」(佐伯)と気負いはない。真っ向勝負で力を出し切る覚悟だ。3投手の継投の並びは、藤丸監督の頭の中では「決まっている」と口ぶりにも自信が漂う。
今大会6打点と好調の中山飛龍明
(柚野真也)