県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
柳ケ浦高校 田中瑛斗 ドラフト3位で日本ハムへ ダルビッシュに追いつけ
プロ野球ドラフト会議で柳ケ浦高校の田中瑛斗投手が、日本ハムから3位で指名された。今夏の全国高校野球大分大会ではベスト4で敗れ、高校3年間での全国大会の実績はないが、最速149㌔の右腕は高く評価された。
日本ハムから3位指名を受け頬が緩んだ
12球団のドラフト1位が確定しても、田中の表情は変わらなかった。しかし、「何位で選ばれるんだろうと不安になってきた」と内心は穏やかではなかった。結果、本格派右腕が手にしたのは、憧れのダルビッシュ有がかつて在籍していた日本ハムからの3位指名だった。
将来性を見込まれた田中。高校2年生の秋に直球の球速が140㌔台後半を計測するとスカウトが気にし始める存在となり、田中自身も「憧れから明確な目標となった」とプロへの思いを強くした。
この時、田中が掲げた目標は夏の甲子園出場とプロ選手。プロ野球経験者である定岡智秋監督の「プロは化け物の集団。そのなかで活躍したいんなら、俺がチームを甲子園に連れて行くという気持ちが必要なんや。ピッチャーは走れ。走ったもん勝ちや」と檄を受け、学校から練習場まで往復6㌔を走って通った。練習でも素走りのメニューを積極的に取り入れ、あらためてフォーム作りにも挑戦した。
身長184cm、体重70kgと線は細いが体幹の強さを感じさせる下半身に、ゆったりとしたフォームからキレの良いボールを投げる。田中の気持ちが乗り移った球は打者を圧倒。今夏の全国高校野球大分大会では最速149㌔を記録し、大器の片鱗を見せた。
実はフォームを修正するときにたびたび見ていた映像が、ダルビッシュのピッチングだった。「理想の投球フォーム。セットポジションのときの骨盤が入ったような前屈みの姿勢や腕の振りの強さ。変化球の腕の振りが変わらないところ。そういうところは意識した」と田中。日本ハムとの縁を感じずにはいられない。
「先発でやっていきたい。1、2年目はしっかり体とフォームをつくり、3年後には先発ローテーションに入り、試合をつくれる選手になりたい」。プロに入っても立ち止まることなく、常に高みを目指して磨き続けていく。
テレビ中継を見ながら監督、部員らと吉報を待った
3年後には先発ローテーで試合を作りたい
Q:ダルビッシュ投手は大リーグで活躍していますが、将来的に海外というのは視野にあるのですか?
A:そんなことを言える立場ではないので、まずはプロ野球で結果を残せる選手になりたいです。
Q:早稲田実業高校の清宮幸太郎選手と一緒のチームになる可能性が高いですが、彼の印象とどんなことを話してみたいですか?
A:見たことも話した事もないのでテレビで見たイメージしかないです。聞いてみたいのは、どうやったらあれだけのホームランを打てるのか。それとどうやったらあんな大きな体になったのか聞きたいです。
Q:同世代は打者に注目が集まっていましたが、投手としてどのように感じていましたか?
A:いいバッターがたくさんいて上位で指名された。それは凄いことだと思います。素直に清宮選手と同じチームに選ばれたのは嬉しいです。
Q:今日(ドラフト当日)は朝から緊張しましたか?
A:特に緊張はなかったです。どの球団に指名してもらえるのかワクワクしていました。それより中間テストだったので、それどころではなかったです(笑)。
Q:日本ハムの栗山監督の印象は?
選手のことを一番に考えてくれる監督という印象です。
Q:田中選手にとって野球とは?
A:ずっとプロ野球選手はなりたい職業でした。長く野球を続けたい。死ぬまで野球に携わっていたい。野球とは僕の人生にとって必要なものです。
Q:ピッチングのこだわりは?
A:特に速球で三振をとりたいとかはないですが、やるからには先発。先発で試合をつくりたいです。
Q:目標は?
A:体が全くできていないので時間がかかると思いますが、1、2年目はしっかり体とフォームをつくり、3年後には先発ローテーションに入りたいです。
Q:高校時代はエースで4番でしたが、二刀流はある?
それは全くないです。ピッチャー一本で頑張ります。
ガッツポーズで声援に応える田中
(柚野真也)
記者会見&囲み取材 再録
日本ハムと聞いた瞬間にダルビッシュが頭に浮かんだ
Q:今の率直な気持ちは?
A:(指名)2巡目ぐらいから何位で選ばれるんだろうと不安になってきました。3位で選ばれてホッとしています。日本ハムと聞いた瞬間にダルビッシュさんが頭に浮かびました。縁を感じるなんて僕が言っていいのか分かりませんが、嬉しかったです。少しでも追い付きたい気持ちは強くなりました。
Q:ダルビッシュ投手がかつて在籍していた日本ハムは、行きたかった球団のひとつでしたか?
A:特に行きたい球団はなかったですが、憧れのダルビッシュさんがいた球団なんで光栄です。
Q:ダルビッシュ投手のどんなところに憧れていますか?
あれだけのスピードがあって、バットにかすりもしない変化球がある。すべてにおいて日本人ピッチャーのなかでNo.1の選手だと思っています。
Q:年明けの新人合同自主トレまでに、どのような準備をしたいですか?
A:けがをしない体とプロの練習に耐えられる体をつくりたいです。
Q:恩師でもある定岡監督から、「プロの打者は振ったもん勝ち、投手は走ったもん勝ち」と言われ続けましたが、毎日どれくらい走っていたのですか?
A:学校から練習場までの6㌔は走っているし、練習メニューでも走るメニューは多かったです。部活引退後も最低でも6㌔は毎日走っています。ブルペンには週に2、3回上がって投げ込んでいます。
Q:入団するまでに増やしたい球種は?
A:縦におちる変化球がいると思うので、スプリット系の落ちる球を練習しています。投球フォームも右腕が背中の方に入るので、そこを修正しているところです。
同級生に胴上げされ喜びを爆発させた