
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
その他
県高校新人大会
バスケットボール男子
決勝 3月20日 情報科学高校体育館
別府溝部学園 93 (20-20、16-28、31-29、26-13)90 柳ケ浦
ライバル校同士の対戦となった県高校新人大会の決勝戦。別府溝部学園が柳ケ浦に93-90で逆転勝ちし、2年ぶり3度目の優勝を果たした。
溝部学園は67-77で迎えた第4クオーター(Q)に激しい守備から速攻で追い上げ、残り13秒で後藤有輝(2年)がドライブから点を決め、逆転した。後藤は両チーム最多の25得点。連覇を狙った柳ケ浦は第3Qまで狙い通りの展開だったが、第4Q途中に相手の大黒柱となる205cmの留学生がファウルアウトして緩みが出た隙を突かれた。
バスケットボールの県内3大大会(新人大会、全国総体県予選、ウインターカップ県予選)は2019年度以降、溝部学園と柳ケ浦で覇権が争われてきた。新チームとなって初めての公式戦となった今大会は、コロナ禍で約1カ月遅れて開催。どのチームも思うような練習ができずに調整の難しい大会となったが、前評判通りに溝部学園と柳ケ浦が勝ち上がった。「準決勝までは自分たちのプレーができなかったが、決勝は(気持ちに)スイッチが入った」と柳ケ浦のキャプテン仲宗根州河(同)が話したように、決勝では互いのプライドと意地がぶつかった。
両チーム最多の25得点を決めた後藤有輝
第1Qから両チーム、強度の高い守備から攻守の展開の速いトランジションゲームとなる。溝部学園はウインターカップ(全国高校バスケットボール選手権大会)で活躍したエースガードの大庭涼太郎(1年)が徹底マークにあい、試合をコントロールできない中、キャプテンの後藤が「自分が得点源になる」と果敢に1対1を仕掛け、チームを引っ張った。
そしてもう一つ、溝部学園には「絶対に負けられない理由があった」。今大会限りで退任が決まっている末宗直柔監督の花道を飾ろうとチームが結束。「厳しい指導だったけど、いつも自分たちのことを考えてくれた監督。成長した姿を見せて送り出したかった」と後藤。第3Qに最大15点差をあけられる場面もあったが末宗監督は「誰もがうちが負けると思っていたと思うが、選手の勝ちたい思いが勝った」と話す。勝負を諦める選手は誰一人なく、集中力を高め、末宗監督が就任以来言い続けた「激しい守備」を敢行した。「チームとして練習できない時間が多かったが、個々の能力で上回った。今日は勝ったが、ここがゴールではない。全国で勝ち上がり、強い溝部学園を見せてほしい」と末宗監督は試合を振り返り、選手にラストメッセージを送った。
退任する末宗直柔監督の花道を飾った別府溝部学園
(柚野真也)
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