福徳学院高校テニス部 菅沼 綾夏(3年) file.941
テニス
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高校最後の夏は、まだ終わっていない。全国高校総体のテニス女子団体でベスト16となった福徳学院から、田中聖香と坪井舞央(ともに3年)が国民スポーツ大会(国スポ)に大分県代表として出場する。昨年に続いて2人で挑む舞台。目標は明確だ。「絶対にベスト8」。高校3年間で培ったものを、今度は「チーム大分」のために注ぎ込む。
全国高校総体では、それぞれが成長の跡を残した。キャプテンの田中は菅沼綾夏(同)とのダブルスで2戦2勝。坪井は団体戦で敗れた悔しさを個人シングルスにぶつけ、全国8強入りを果たした。坪井にとって、この結果は3年間の集大成ともいえるものだった。団体戦の敗戦後は「自分のテニスに少し自信をなくしていた」という。個人戦までの2日間で、乱れていたサーブを徹底的に修正。気持ちも立て直し、高校生活で目標にしていた全国ベスト8をつかんだ。
そこに至るまで、決して順風満帆ではなかった。親元を離れて大分へ。1年時は慣れない生活と競技の両立に苦しみ、「テニスをやめたい」と思ったこともあった。それでも指導者から言われた「どんなプレーでもいいから、勝ちにこだわって一球一球やる」という言葉を胸に踏みとどまった。

転機は2年生の秋頃だった。全国で少しずつ結果が出始め、今年の全国高校選抜大会から全国高校総体にかけて一気に伸びた。変わったのは技術以上に心である。「私は技術よりも気持ちの方が大きいと思っている。苦しい状況で気持ちが折れた方が負け」。以前は気持ちで引いてしまうこともあったが、今は勝ちたいという思いをコート上で表現できる。
田中の3年間もまた、「自分」から「チーム」へと視野を広げた時間だった。1年時から周囲を見て動くことを求められ、最上級生になってからはキャプテンを任された。「チームのことを考える機会が増えた」。自分の勝敗だけでなく、仲間の状態やチーム全体に目を配る。その経験が一人の選手としても田中を強くした。
国スポでは、その2人が再び同じチームで戦う。田中によれば、坪井とのダブルスは全国高校総体で組んだ菅沼とのペアとはスタイルが異なる。積極的に前へ出る菅沼とのペアに対し、坪井とは後方で粘り、我慢しながら好機を待てる。「後ろでラリーを粘ってくれるという信頼がある」。互いの強みを知り尽くした3年生同士だからこそできる戦い方がある。

何より2人を突き動かすのは、昨年の国スポで初戦敗退に終わった悔しさだ。坪井は3年連続、田中は2年連続の出場となる。高校の看板を背負う大会とは違い、胸に刻むのは「大分県代表」の5文字である。「自分だけではなく、支えてくれる人や大分で動いてくれている人たちのためにも、一つでも多く勝ちたい」と坪井。田中も「今年こそ絶対にベスト8に入って、チーム大分に貢献したい」と言い切る。
勝ちにこだわる強さを身につけた坪井。周囲を見渡しチームを背負えるようになった田中。福徳学院で過ごした3年間で、2人は違う形の強さを手に入れた。高校最後の大舞台では、その成長を「大分の勝利」という結果に変える。 (柚野真也)
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