
音に心を込めて飛躍の年に 別府翔青高校吹奏楽部 【大分県】
カルチャー
スポーツや武道でも型があるように、そろばんにも型がある。迅速に正確にそろばんを弾くためには、無駄な動きや時間を取らない指使いが必要となる。大分商業の珠算部では平日は2時間、土曜日は3時間半、日々の練習で集中力を高め、速さと正確さを追求する型を極めている。
6歳の頃からそろばん教室に通い、型を極める部長の清家香穂は、日本珠算連盟の段位認定試験で読み上げ算の最上位10段、珠算は9段を持つ。昨年はコロナ禍で大会が中止となり活躍の場が少なかったが、今年は「第73回全九州高校ビジネス計算競技大会」の珠算競技の部に出場し、団体で4位、個人では種目別の読み上げ算で前大会に続き優勝した。清家は「昨年は目標がなくモチベーションが下がった。下級生が入部せず、部の存続が危ぶまれた中で、同級生2人で地道に練習して力を蓄えることができたことが報われた」と苦しかった胸中を明かす。
全九州高校ビジネス計算競技大会で連覇した清家香穂
今年4月に1年生が3人加入、団体戦の出場が可能となり、部内に活気が戻った。同校珠算部のOBで顧問の釘宮さとみ教諭と桑代智代教諭は「10月の新人大会にむけて3年生が引っ張ってくれている」と目を細める。制限時間の中で問題を解く珠算は、「伝票のめくり方、字の書き方一つで時間が短縮できる。一つの球を置き間違えれば正解を導き出せない」(釘宮教諭)。大会となれば会場は緊張感が漂い、会場に入る際のあいさつ一つで雰囲気が変わる。そんな経験をした3年生が1年生に「勝つためのテクニック」を伝授している。
「努力した成果が結果に出るのが珠算」と清家。将来は高校商業科の教諭となり、奥深き珠算の面白さを伝えたいと話す。また、卒業までに珠算10段の合格を目指す。
伝統ある大分商業珠算部
(柚野真也)
地区を選択
学校名を選択