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3年生、夏物語 vol.9 卓球男子 安定感からの脱皮、自分のスタイルを押し切る選手になる田原翔太(明豊3年)

3年生、夏物語 vol.9 卓球男子 安定感からの脱皮、自分のスタイルを押し切る選手になる田原翔太(明豊3年)

 中学の頃から全国大会での実績を積み、中学・高校の6年間を明豊卓球部で過ごした田原翔太。「この6年間は、全国で勝つことが当たり前の環境で練習ができた。練習の積み重ねがミスを少なくし、九州王者になることもできた。最後の1年間はキャプテンとなり、自分だけのことではなく、チームが勝つために何ができるかを考えた。思うような結果を残せなかったが、一番成長できる時間を過ごせた」と振り返る。

 

 中学3年生の全国中学校体育大会で団体準優勝、高校1年生からメンバーに選ばれた。その年の全国高校総体では団体ベスト8、シングルス、ダブルスではベスト16に入り、藤本賢司監督は「田原がいる間に日本一」と思い描いた。昨年は上級生も実力者が多く、悲願の日本一が目前だったが、コロナ禍で全ての大会が中止となり、戦わずして夢破れた。「先輩の悔しい思い」を引き継ぎキャプテンとなったが、多くの期待を背負いすぎた。「中学の頃もキャプテンをしたが、高校のキャプテンの役割は大きく違った」と田原。

 

中学・高校の6年間で安定した実績を残した

 

 これまでは自分が勝つことに集中できたが、キャプテンになってからは練習からチーム全体の士気を高め、方向性を見失わないように選手個々に話しかけ、ときには後輩の相談にのり、中学生にもアドバイスした。“6学年”を統率するリーダーとしての役割を求められた。もちろん、エースとして結果も出さなければいけない。「好不調が少なく、安定した結果を残せる」(藤本監督)ことが田原の特徴ではあったが、高校1、2年生の時のような爆発力をチームにもたらすことはできなかった。8月の全国高校総体では団体で5位タイ、シングルス、ダブルスは3回戦敗退、1年生の頃の成績を更新することはできなかった。田原は「自分の力不足」と多くを語らなかったが、「相手の調子が良くても実力差があっても、自分の力で押し切れる選手になりたい」と、次のステージとなる大学での飛躍を胸に誓う。

 

 今月20日に年齢無制限の全日本選手権の県予選がある。明豊OBの大学生や社会人もエントリーしている。「明豊のユニフォームを着る最後の大会。これまでの6年間の思いを全てぶつける」と意気込む。当然、結果にこだわるつもりだが、後輩に最後の勇姿を見せる機会とも考えている。

 

ワンランク上の選手を目指す田原翔太

 

 

(柚野真也)

大会結果