
音に心を込めて飛躍の年に 別府翔青高校吹奏楽部 【大分県】
カルチャー
第45回全国高校総合文化祭(全総文)の吹奏楽部門に県代表として出場した別府翔青。ベートーベン生誕251周年を記念して練り上げたオマージュ作品を“おなじみ”の演奏とパフォーマンスを融合させ披露した。前部長の中島杜和子(3年)は「大会前は構成の流れがうまくハマるか不安だったけど、想像以上に楽しくできた」と胸を張り、この大会を機に引退を決めていた新貝明佳(同)は「これで終わりという実感はなかったけど、演奏が終わった後に涙が出た」と達成感を味わった。
「お客さまに喜んでいただける演奏」をモットーに、総勢52人(3年生15人、2年生12人、1年生25人)が、演奏しながらパフォーマンスをしたり、さまざまな隊形を作って視覚的に音楽を楽しむステージドリルを追求した。聴衆の視点に立ち、飽きさせないステージにするために曲の構成からパフォーマンスのアイデアを出し合い、「自己満足にならないように」と顧問の山本泰久先生が手綱を引く。試行錯誤して創造するから思い入れも強くなる。
全総文に出場した別府翔青
ベートーベン生誕250周年+1年としたところに意味があった。250周年を記念した楽曲は、コロナ禍でコンクールに出場することができず披露の場を失った。その1年を越えた思いをベートーベンの楽曲にのせ、「運命」から「第九」までのオリジナルメドレーを奏でる。クライマックスは、マスクをかけたベートーベンの肖像画からマスクを外した時に浮かび出た表情と音楽で聴衆に問い掛ける。「コロナなんて吹っ飛ばせ!」。そんなメッセージを込めた。山本先生は「エンターテインメント集団になった」と最高の褒め言葉で部員をたたえた。
中島は「私たちの学年は次々と学校行事が中止や縮小され、修学旅行も中止となった。全総文は3年生にとって最高の思い出となった。1、2年生にとってもいい経験の場となったと思う。翔青らしい明るい音を追求してほしい」と、卒業までの期間は後輩の指導を行うつもりだ。次のコンクールに向けて、1、2年生を中心に作品づくりが始まる。
吹奏楽部を引っ張った3年生
(柚野真也)
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