OITA SPORTS

7/1 TUE 2025

supported by

明日香美容専門学校

その他

3年生、夏物語 vol.5 ハンドボール男子 大分雄城台 引退する3年生が下級生に思いを伝える

3年生、夏物語 vol.5 ハンドボール男子 大分雄城台 引退する3年生が下級生に思いを伝える

 「際の粘りが足りなかった。甘さがあった」と厳しい表情で語った平井徳尚監督。ハンドボール男子の全国高校総体(インターハイ)に出場した大分雄城台は3回戦で惜敗した。気持ちを切り替え、国体でリベンジの思いが強くなった矢先、「国体中止」の知らせが届き、3年生は突然の引退を突きつけられた。呆然とする3年生に向かって、平井監督は「何が起きるか分からないからこそ、目の前のことに真剣に取り組まなければ後悔する。次のステージでも勉強でも同じ。人のせいにしても何も変わらない。事実と向き合って、自分ができることを考えてほしい」と投げかけた。

 

 代替わりした新チームがスタートした初日の練習に3年生の姿があった。例年、大学で競技を続ける者は練習に参加し、受験を控える者は練習に来ることはない。「これまでの時間を自分たちの練習に費やしたので、新チームのスタートが遅くなった。下級生に伝えなければいけないことがある」(山口大貴・3年)と集まったのだという。練習相手となり、気づいたことがあればアドバイスする。新チームが形づくられるまで、3年生は下級生を支えるようだ。

 

練習相手となり伝統を引き継ぐ

 

 山口は「僕たちの代は励まし合ってきたが、厳しいことを言うことはなかった。後輩には厳しさを求め合ってほしい」とエールを送る。全国高校総体でベンチ入りできなかった副田康生(3年)は、「努力が足りずに試合に出られずに悔しい思いをした。後輩には目的を持って、きつい練習の一つ一つの意味を考えてほしい」と伝えるつもりだ。

 

 平井監督は「今の3年生はバックアップできるメンバーがいたから、ここまでやってくることができた。1、2年生は3年生が練習に参加している間に多くのことを学んでほしいし、3年生は自分たちの経験を伝えてほしい」と話す。3年生の思いを下級生が引き継いだとき、3年生の夏は終わる。

 

支え合い、励まし合った3年生

 

 

(柚野真也)