県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
ラストバトル〜3年生、最後の戦い〜 高校野球 エンジョイ野球で痛快に4強入りした大分東明
第103回全国高校野球選手権大分大会
別大興産スタジアム
2回戦 大分東明5−3大分
3回戦 大分東明5−4佐伯鶴城
準々決勝 大分東明6−5高田
準決勝 大分東明11―15大分舞鶴
今大会、ノーシードから4強入りした大分東明の快進撃は痛快だった。2年連続で全国高校ラグビー大会に出場した同校ラグビー部のモットーにならった「エンジョイ野球」で大番狂わせを演じ、劇的な勝利で勝ち上がった。河野雄監督は「元気しか取り柄のなかったチームだったが、試合を通じて成長する姿を見せてくれた。今年は楽しかった」と笑顔で振り返った。
突出した力のある選手がいたわけではない。新チームになってから結果を出せず、下馬評は低かった。今大会は失うものがない強みというよりも「無の境地」があった。目の前の相手に勝つことよりも大事にしたのは、一球一球を楽しむこと。思い切りの良さを生んだのは、やはり競技を始めた頃の思いを忘れず、「楽しくなければ野球じゃない」との境地に達したからだろう。
エンジョイ野球で勝ち上がった大分東明
打てば全員で喜び、凡打になっても次があると励ます。グラウンドに立つ選手だけでなく、ベンチも笑顔が絶えない。そんなポジティブな空気が流れているからこそ、準々決勝では3点差の九回に逆転劇を演じることができ、準決勝でも見応えのある打撃戦でスタジアムを沸かせた。「試合後の(スタンドからの)拍手が温かかった」(河野監督)と感じたのもうなずける。
白い歯をキラリと輝かせ、笑顔を絶やさず、エンジョイ野球を最後まで体現したキャプテンの川見流空(3年)。最後の夏を終え「目の前の一球を楽しむことができた。それが東明の野球」と胸を張り、スタジアムを後にした。
笑顔でチームを引っ張った川見流空
(柚野真也)