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ラストバトル〜3年生、最後の戦い〜  高校野球 快進撃が続く高田、キラキラが止まらない

ラストバトル〜3年生、最後の戦い〜  高校野球 快進撃が続く高田、キラキラが止まらない

第103回全国高校野球選手権大分大会

別大興産スタジアム

1回戦 高田7−4大分上野丘

2回戦 高田8−1玖珠美山(7回コールド)

3回戦 高田2−1津久見

 

 夏の大会で6年ぶりに1回戦を突破し、2回戦はコールド勝ち。勢いを増した高田の快進撃は止まらなかった。3回戦の相手は第1シードの津久見、田中博行監督は「やるべきことやって、終盤まで我慢すれば相手は焦る」と粘り強く戦うことで勝機を見いだした。先発の中本龍翔(2年)は9安打されたが要所を締めて9回を投げ抜き、周囲も攻守でもり立て1点差を守り切った。

 

 戦ったのは選手だけではない。縁の下で選手を支え、ベンチから見守ったマネージャーの山田真緒(3年)は、「選手一人一人の勝ちたい気持ちが強かった。ミスもなく、自分の役割を理解してプレーしていた。すごく頼もしかった」と金星に涙した。

 小学生の頃はバレーボール、中学はバスケットボール、これまでは選手としてスポーツと関わってきたが、高校入学を機に「選手を支える側になろう」と、あいさつの声が大きかった野球部に好感を抱きマネージャーとなった。

 

ベンチでは選手と一緒に戦った

 

 これまで屋内の競技をしてきた山田にとって、夏の暑さ、冬の寒さ、過酷な環境下の野球は「しんどいことだらけだった」。それでも仲間と呼べる選手と同じ空間にいることが心地よかった。「学年で一人しかいないマネージャーだが、物おじせず、気の強い子。練習から選手に負けないくらい声を出す」と田中監督。最終学年となりベンチでスコアを付けることになり、「一緒に試合をしていると感じられる」とチームへの思いは強くなった。

 

 大会前に応募した三行詩では、出品数795の中から山田の作品は最優秀賞に選ばれた。田中監督は「山田が幸運を持ってきたのかもしれない」と笑う。これまでの2年間の夏の思い出は初戦敗退。山田は「一勝してほしい」と今大会に臨んだが、1回戦を突破してから、選手が自信を持ち、「キラキラ輝いている」という。山田の詠った詩はこうだ。

 

「全部大好き」

「集合!」その声で遠くなる背中

うるさいくらいのベンチの声

見たことないくらいのキラキラした目

 

 快進撃が続く限り、キラキラは止まらない。

 

「悔いのないプレーをしてほしい」と話す山田真緒マネージャー

 

 

(柚野真也)