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県高校総体 柔道女子団体 苦しみながらも頂点にたどり着いた大分西

県高校総体 柔道女子団体 苦しみながらも頂点にたどり着いた大分西

大分県高校総合体育大会

5月29日 昭和電工武道スポーツセンター

柔道女子団体 

決勝 大分西 2-1 柳ケ浦

 

 

 柔道の県高校総体、女子団体は前評判を覆した大分西が3連覇を成し遂げた。決勝を争った柳ケ浦は今大会個人戦全7階級のうち6階級を制し、準優勝進出は5人と圧倒的な選手層を誇った。対する大分西は試合前にメンバーの一人が体調不良で離脱、厳しい状況に追い込まれたが「3人で結果を出すしかない」と結束力を高めた。

 

 決勝は先に一本を取られ、後がない状況で中堅の堺田莉央、大将の二宮冴羽の二人の3年生が意地を見せた。堺田はこれまで一度も勝ったことのない相手に劣勢が続き、右腕を伸ばした瞬間に関節技を決められ万事休す。大分西の連覇の夢が途絶えたかに思えたが、堺田は「腕が折れてもいい」と相手を持ち上げ関節技を回避する。ここで戦況が一変。腕の痛みに堪えながらも素早い動きの相手をがっちりと組み止め、肩固めで一本を取り、二宮にいい形でバトンをつないだ。

 

勝利への執念を見せた堺田莉央

 試合が始まる前は緊張で震えが止まらなかったという二宮だが、堺田の気迫の勝利に「私が勝負を決める」と奮い立った。真っ向勝負の姿勢を崩さず、攻めの柔道を貫いた。「こういう場面では気持ちが強い方が勝つ」と残り2秒で得意の内股を決めて、決着をつけた。戦い終えた二宮の目は潤んでいた。「今度は4人で全国に行ける」と仲間を思い、うれしい報告ができることを喜んだ。

 

 「先輩がつないだ連覇を絶やすわけにはいかない」と毎日のように言い続けた阿部栄一郎監督は、「やはり3年生はやるときにはやる。実力以上のものが出たが、一戦一戦勝ち切る力があることも証明した」と評価した。

 

残り2秒で内股を決めた二宮冴羽

 

 

(柚野真也)