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カヌー・スラローム日本代表合宿 勝負のシーズンに向けて調整は順調

カヌー・スラローム日本代表合宿 勝負のシーズンに向けて調整は順調

 カヌー・スラローム日本代表が28日まで、豊後大野市のリバーパーク犬飼で強化合宿を行っている。リオデジャネイロ五輪で男子カナディアンシングル銅メダルを獲得した羽根田卓也は、「毎日充実している。川の流れも気候も安定していて環境としては完璧」と東京五輪に向けて順調に調整が進んでいると話す。

 

 急流に不規則に設置された最長400㍍のコース中に設置された最大25の旗門(ゲート)を通過してタイムを競うスラローム。東京五輪では人工コースが設置されるが、それに似た環境がリバーパーク犬飼にあるという。急流に抵抗する力よりも複雑な流れへの対応力が求められる。スラロームの技術とは「水の流れをつかむ能力」と羽根田は言う。水流をうまく利用して、いかにスピードに乗るかがポイント。ボートを体の一部のように扱い、進行を妨げる巻き波などに対処する羽根田の技術は圧巻。今回の合宿では、そのベースとなる体づくりと感覚を呼び起こす作業に重きを置く。

 

ボートを体の一部のように扱う羽根田卓也

 女子カヤックシングルの矢沢亜季は、「本格的なシーズンに向けて体の土台をつくれている。今年初めての水上合宿だが水量も安定していて、順調にメニューを消化できている。体のキレが戻りつつある」と話す。豊後大野市のふるさと大使でもある矢沢は、2015年から定期的にリバーパーク犬飼に訪れ、練習を続けている。「(日本代表)メンバーも犬飼をすごく気に入っている」と、オフの日はサイクリングや街歩きに連れ出し、ふるさと大使としての責務を果たす。

 

 今年は東京五輪が大きな目標となるが、矢沢は「昨年のワールドカップから調子がいい。世界で戦う姿を見せたい」と話し、「地元の皆さんにカヌーを広めたい。ここから世界で戦える選手を育てたい」ともう一つの目標を語った。

 残り1週間となった強化合宿。羽根田は「激流に向かう迫力がスラロームの見どころ。応援が励みになるので見学に来てほしい」と呼びかけ、矢沢は「結果で恩返しをしたい」と強い決意を口にし、勝負のシーズンにこぎ出す。

 

「結果で恩返しをしたい」と語った矢沢亜季

 

(柚野真也)