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ヴェルスパ 今季最終戦を勝利で飾り、優勝に花を添える

ヴェルスパ 今季最終戦を勝利で飾り、優勝に花を添える

 今季のヴェルスパ大分を象徴するようなリーグ最終戦だった。「難しい試合だった」(瓜生昂勢)のは間違いない。それでも最終的に勝利をもぎ取った。自分たちの時間帯になるまでしっかりパスをつなぎ、相手を動かし、一瞬の隙を見つけてゴールを陥れた。

 

 序盤はJ3昇格の可能性を残したFC大阪の気迫に押され、守勢になる時間が多かったがGK姫野昂志の好セーブもあり、得点を与えなかった。試合が動いたのは30分。福元考佑が一気にゴール前に送った長いパスが GKのミスを誘い、はじいたボールを薮内健人がゴールに流し込む。前半終了間際には、須藤茂光監督が3年間こだわったスタイルを表現する。ピッチの幅を使った攻撃から、西村大吾が右サイドを突破し、絶妙なクロスを中央へ配球。最後は薮内が2点目のゴールを奪いリードする。

 

 チーム得点王に並ぶ今季5点目を決めた薮内は、「昨年のことはあまり知らないが、チームのやりたいサッカーがあり、自分はそれに合わせて持ち味を発揮することを考え、結果につながった」と振り返る。今季も攻守のつなぎ役として試合を作った瓜生は後半にだめ推しとなる3点目を決める。「今年は優勝することを目標とし、個人としても存在感を示したかった」とプライドをのぞかせた。

 

今季5得点で優勝に貢献した薮内健人

 

 試合終了後に行われた優勝報告会では、須藤監督がコロナ禍でサッカーができることに感謝し、「選手、スタッフが一枚岩になって、サポーターの声援が後押ししてくれた。今季はけが人が出てもチーム力が変わらず、連敗もなかった」と勝因を語った。今季はリーグ戦の試合数が半分になり、「勢いに乗ったチームが突っ走っただけ」という否定的な見方もある。しかし、結局は勝負の世界。「結果がすべて」(瓜生)であり、勝負強さを身に付けた大分が、勝利の美酒を味わう資格を確かに有していた。

 

 「来季は相手にマークされる。今季の成績に甘んじることなくプレーしてくれると思う」と須藤監督。勝負の3年目で結果を出した指揮官、チームとして個人としてアピールした選手に他クラブから熱視線が集まる。天皇杯は残されているが、シーズンオフには、限られた予算内での補強を進めながら早くも来季に向けてチーム編成が始まる。

 

優勝をサポーターとともに喜んだ

 

 

(柚野真也)