
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
全日本バレーボール高校選手権大会県代表決定戦
決勝戦 11月8日 昭和電工武道スポーツセンター
東九州龍谷 3−0 大分商業
(25―17)
(25―20)
(25―22)
日本一連覇の扉を開いた。東九州龍谷(東龍)が全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の女子県代表決定戦で21年連続36回目の優勝を決め、第一関門を突破した。決勝の大分商業戦も1セットも落とすことなく、県予選4試合を全てストレート勝ち。竹内誠二監督は「今年は公式戦がほとんどなく経験を積めなかった。タイトルが懸かった本気の勝負の中で1年生がスタートから3人出て、最低限のレベルの試合はできた」と振り返り、本戦に向けてギアを入れ替える。
決勝ではエースの室岡莉乃(3年)にブロックが集まる状況で、佐村真唯、折立湖雪の次期エース候補の2年生コンビが得点し、1、2セットを連取。華やかな攻撃にばかり目が行くが、鍛え上げられたレシーブ力も健在。簡単にボールを落とすことなく、攻撃につなげる下支えとなったことは間違いない。第3セットでリードを許す展開となったが、竹内監督のプランでは想定内だった。「セッターが機能していなかった中で、どう立て直せるかが見たかった」と修正力を問うた。さすがに5連続得点を許したところで交代に踏み切り、安定感のある3年生セッター若松かのんが高低差のあるトスでスパイカーの持ち味を引き出し、事なきを得た。監督が計算できる実力者がベンチに控えているから、「下級生が思い切り自分のプレーに打ち込める」(竹内監督)。これが今年の東龍の強さだ。
決勝でも得点を重ねた折立湖雪
優勝チームのなかで唯一、悔し涙を流したのが2年生セッター新改星南。昨年は春の高校バレーで正セッターとしてコートに立ち、今年はさらなる飛躍が期待されるが、決勝戦ではトスワークが単調になり、高速コンビバレーに固執してしまった。「すべては自分の責任。周りのことを考えず、気を使わせてしまった」と悔やんだ。人一倍負けず嫌いで責任感のある選手だ。今日の失態は、「春高で取り返す。試合の悔しさは、試合でしか取り返せない」と目を真っ赤にして話した姿に覚悟の大きさを感じた。
例年であれば全国高校総体で新チームの課題を抽出し、国体で修正し、春の高校バレーで総仕上げする流れだが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で強化プランの大幅な見直しを強いられた。公式戦での試合数が極端に減り、おのずと1年生の経験の場が限られた中で、春の高校バレー県予選で課題を見つけ、修正しながら4試合を消化したことは収穫となった。「(好不調の)選手を見分け、コート内とベンチワークの意思統一も必要」と竹内監督。正セッター争いしかり、室岡に次ぐポイントゲッターなど、チーム内の至るところで競争が勃発する。「全国への挑戦権を得たことで、これから3年生の意地も出てくるし、経験を積んだ1、2年生も試合に出たい欲が出てきている」。監督の言葉に従えば、県予選優勝とはいえ、「日本一連覇」に向けて収穫と課題を得た大会となった。
日本一連覇を狙う東龍
(柚野真也)
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