
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ) 県2次予選が24日から始まる。1次予選から勝ち上がった4校がシード4校に挑み、その勝者が準々決勝から出場するスーパーシード4校と激突する。男子の第4回は、強豪校として長年王者に君臨し続けた大分舞鶴。ここ数年は優勝から遠ざかっており名門復活を目指す。
「他校も同じ条件だから全てが言い訳のようになってしまうけど、やっぱり練習できない期間が長かったことは大きい」。県高校総体を振り返り、悔しさをにじませた池田剛監督。新型コロナウイルスの感染拡大による部活動休止は、大きな影響をもたらしたといえる。
部活動再開後も、進学に向けた学業との両立のために練習時間が短縮される状況も続き、様々な葛藤を抱えたまま挑んだ県高校総体は、不完全燃焼に終わった。第2シードでありながら、勢いに乗り勝ち上がったダークホースの大分上野丘に準々決勝で敗戦。ベスト8でコートを後にした。
悔しさだけが残る結果となったが、部活動休止の間に選手のバスケに対する情熱は衰えず、個々でトレーニングに励んできたことが現在の下地となっている。自身の課題に休むことなく取り組んできたことは体力強化につながり、自主練習では難しいシュート力は低下してしまったが回復の兆しが見えている。また県高校総体後は対外試合も重ねながら“試合勘”を取り戻していることは好材料となる。
県高校総体での悔しさを今大会で晴らす
「難しいことをやり過ぎて、根本がおろそかになっていたのではないかと気付かされた」と池田監督。県高校総体の結果を踏まえて、舞鶴伝統の“高レベルなバスケ”を今一度見直し、基本をおさえた練習にも力を入れている。今大会に出場するチームは187㌢の近藤怜己(3年)、189㌢の宮本英駆(2年)といった長身選手もそろい、大分舞鶴の特長でもあるスピードに高さをプラスすることで、戦い方のバリエーションが増えている。
「全国大会に40回以上出場しているという歴史は、他校にはない誇らしいこと。先輩たちの思いを背負っている自覚はあるのか」。池田監督は随所で投げかけ、彼らもその重みを受け止め、闘志を燃やす。原点に立ち返り、チャレンジャーとしての挑戦。決して楽な戦いではないが、伝統校としてのプライドとバスケットボールができる喜びを全力で体現できたとき、王者奪還への道が開けるはず。悔しさを経験した彼らはこれまで以上に全国への思いをプレーにぶつける覚悟だ。
復権を懸け優勝を目指す大分舞鶴
(黒木ゆか)
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