
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の出場を懸けて、今月24日から県2次予選が始まる。1次予選から勝ち上がった4校がシード4校に挑み、その勝者が準々決勝から出場するスーパーシード4校と激突する。トーナメントが最終幕を迎える頃には、どんなドラマが待っているのか。まずは女子のスーパーシード4校とダークホースとなりそうな1校を取り上げたい。第2回は5年連続13回目の出場を目指す中津北。
中津北が1年間のスケジュールで最も重点を置く大会がウインターカップだ。7月の県高校総体は全国につながらない独自大会だったこと。そして、新型コロナウイルスの影響で練習できず準備不足もあり、大会に参加すること自体に前のめりではなかった。しかし、今大会は違う。「ウインターカップだけは落とせない、絶対に獲る」とチーム全体から強い覚悟を感じる。
多少の浮き沈みはあるが、1年間の総決算に向けて仕上がりは順調だ。中津北の代名詞である強度の高い守備力は健在。ひと夏を越えて走り込み、粘着力は増した。キャプテンの木下菜月(3年)は、「私たちはディフェンスのチーム。ディフェンスからいい流れを作りたい」と自分たちの武器を理解し、その生かし方も心得ている。県高校総体決勝戦で敗れた理由として、大津留礎監督は「ディフェンスは機能したがシュートが入らず波に乗れなかった。敗戦は必然だった」と語る。
大会に向けて仕上がりが順調な中津北
今大会に向けて、「自分たちの王道を貫く。奇をてらうことはない」と拳を握る大津留監督、選手たちも同じ思いのはずだ。木下は「自分たちのバスケを40分間貫く。ポイントガードの私がバランスよくコントロールしたい」と真っ向勝負で頂点を目指すことを明かした。その言葉に気負いはなく、「勝つためにはみんなの力が必要」と総力戦で戦うことを強調した。
自分の代わりはいないー。それぞれが持ち味を存分に出して輝く。監督に主演、助演が一体となって舞台を作る。これまで先輩たちが築いた伝統芸である。大津留監督「楽しいバスケを見せることができる」と不適に笑う。コートに立つ5人とベンチワークがかみ合ったときの中津北の爆発力は圧巻。県高校総体で県内負けなし記録が途絶えたヒロインたちの復活劇が開演する。
チーム一体となって優勝を目指す
(柚野真也)
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