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新体操 姉妹で挑む国スポ チーム大分の誇り胸に 【大分県】

新体操 姉妹で挑む国スポ チーム大分の誇り胸に 【大分県】

 かつて「新体操強県」として全国に名を轟かせた大分。その復活の旗を高々と掲げるのが、西由美子(別府鶴見丘2年)と西真美子(明豊中3年)の姉妹である。国スポ九州ブロック大会で少年女子県選抜を3位に導き、本大会への切符を手繰り寄せた立役者だ。

 姉の由美子は、今夏の全国高校総体に2年連続出場。日本体操協会の強化合宿にも参加し、美しさを武器に全国で名を知られる存在だ。2歳から新体操を始め、長年の鍛錬が表現力と技術を磨き上げた。近年は、美しさだけでなく、可愛さと力強さ、明るさを兼ね備えた演技へと進化。県選抜のキャプテンとしても、かつては自分の演技に集中していたが、今ではチーム全員を包み込むようなリーダーシップを発揮する。九州ブロック大会前には、魂のこもった声で仲間を鼓舞し、チームに一体感を生み出した。

姉の由美子は国スポ県選抜チームのキャプテン

 妹の真美子は、県選抜レギュラーメンバーで唯一の中学生だ。幼い頃から姉の背中を追い、松永新体操クラブで技を磨き続けた。美しさの中に力強さを秘めた演技が持ち味で、負けず嫌いな性格ゆえに練習中に悔し涙を流すこともあった。しかし、この1年で大きく成長し、本番での大きなミスがなくなった。中学生ながら堂々とシニアカテゴリーに飛び込み、姉と同じフロアで舞う姿は、挑戦心を体現している。

 競技では互いをライバルと認め合い、得点や完成度を真剣に競い合う。演技後には細かな動きやタイミングまで分析し合い、負けたくない一心で技を磨く。だが、マットを降りれば笑顔あふれる仲良し姉妹だ。家では食卓を囲みながら演技の映像を繰り返し見返し、時に厳しく、時に励まし合いながら意見を交わす。互いの弱点を補い合い、強みを最大限に引き出す助言を惜しまない。その積み重ねが二人の演技に深みを与え、県代表の中心として欠かせない存在へと押し上げていった。

 国スポを前に、由美子は「最高の演技をして、チーム大分の一員として恥じない演技をしたい」と語る。真美子も「初めての国スポは楽しみ。お姉ちゃんと一緒に入賞を目指したい」と笑顔を見せた。

妹の真美子、国スポ入賞を目指すと語った

 松永恵子監督は、この姉妹の存在を「美しさに加えて力強さを増し、表現力も格段に上がった由美子。負けず嫌いで一気に成長した真美子。二人がそろうことでチームに勢いが生まれる」と評する。

 全国の舞台で再び大分の名を輝かせるために。姉妹の演技は、ただの点数争いではない。かつての栄光を知る者の胸に火を灯し、新たな世代の夢を託すものだ。九州から羽ばたく姉妹の物語は、国スポの大舞台でさらなる輝きを放つに違いない。

(柚野真也)