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全国高校サッカー選手権大会県予選特集② 柔軟な戦いを選択し、3連覇目指す大分

全国高校サッカー選手権大会県予選特集② 柔軟な戦いを選択し、3連覇目指す大分

高校サッカーで最も注目が集まる「全国高校サッカー選手権大会」の県予選が10月24日に幕を開ける。憧れの舞台を目指し、39校の精鋭たちが県代表の座をかけて戦う。今大会は本命不在、混戦が予想される。その中で2月の県高校新人大会、7月の県高校総体で結果を残し、シード権を獲得した4校に注目。1カ月後のラストバトルに向け、現状を分析した。

 

 3年連続の全国選手権大会を目指す大分の仕上がりは順調だ。県高校総体で3連覇を逃したことが発奮材料となり、夏休みは九州内の強豪校と練習試合を繰り返し、メンバーの組み合わせを試しながら大枠を固めた。

 軸となるのは3年生。エースストライカーの堤聖司に、中盤は広瀬涼也が安定したプレーを見せ、最終ラインをまとめる竹谷悠がセンターラインを固める。そこにコンディションや調子の良い選手を組み合わせることができるため、試合ごとにベストオーダーを組みやすい。

 

 キャプテンの堤は1年生の頃からメンバーに入り、昨年は主力として試合に出ていた選手。最終学年になってからは2つの大会で優勝を逃し、敗戦を経験したことで勝利への執念はこれまで以上に強くなった。責任感の強い堤は、自分の得点が勝利に直結することを知っている。「自分がおとりになって周りを使うことも必要だが、最後は自分が決めるという強い気持ちが大事。自分がキャプテンとなり、自分たちの代で連覇を途切れさせることはできない」と、今大会の優勝に並々ならぬ意欲を見せる。

 

安定感が増した広瀬涼也

 

 小野正和監督が頭を悩ませていた堤のパートナーに前園陽人(2年)が収まり、力のある1年生の台頭もあり、攻撃陣の強化に一定の成果を得ている。これまで大半の試合で優位に立ちながら、それに見合った得点を手にできていなかったが、攻撃のバリエーションは増えている。また、複数のポジションで計算できる選手が増え、アクシデントに対応できる厚みを手にした。

 

 今大会で対戦する相手は、大分には守備重視の戦いを選択することが想定され、一発勝負のトーナメントを勝ち上がるための戦い方を考えなければいけない。失点を減らすために攻撃のクオリティをさらに高めて勝利を手繰り寄せることも、逃げ切りを図りながらしたたかなカウンター狙いに切り替えるなど、全体の意思統一を徹底したい。「勝つために戦い方を上手く使い分けたい」と堤が言うように、相手のやり方に応じて柔軟な選択ができれば、戦いの幅が広がりそうだ。

 

守備の要となる竹谷悠

 

 

(柚野真也)

大会結果