県高校総体 新体操 別府鶴見丘の西由美子が2連覇、努力が形となる 【大分県】
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国スポ 新体操少年女子 再び輝く新体操・大分が見据える頂 【大分県】
かつて全国に名をとどろかせた「新体操強豪県・大分」が、再び脚光を浴びようとしている。少年女子県代表が九州ブロック大会で3位に入り、2019年の茨城国体以来となる自力での国スポ出場を決めた。メンバーは別府鶴見丘の西由美子、清末結愛、柳井千歳(いずれも2年)、下之門芽生(1年)、中学生の西真美子(明豊中3年)、リザーブの鶴羽そら(青山中3年)の6人。世代を超えた布陣が、大舞台への切符をつかんだ。
松永恵子監督は「(国スポ出場権の)4枠以内は絶対条件」と練習を重ねてきた。初日は思うように力を発揮できず、厳しい滑り出しだったが、修正力を発揮して3位でフィニッシュ。「楽しむことも大事だが、今回は出場権を取るための真剣勝負だった」と語る。その眼差しはすでに本番を見据えている。

キャプテンの西由美子は、美しさにかわいらしさ、力強さが加わり、表現力が格段に向上。かつては自分の演技に集中するタイプだったが、今や魂の叫びで仲間を鼓舞するリーダーだ。清末は情熱的な演技で観客を引き込み、西と切磋琢磨するライバル関係がチーム力を高める。柳井は冷静な分析役で、ミスの原因を仲間に伝える頭脳派。下之門は経験こそ浅いが、高い柔軟性とポテンシャルで上級生の刺激となる存在だ。中学生の西真美子は美しさと力強さを兼ね備え、ここ1年で大きく成長。本番でも安定感を増し、チームの武器となった。リザーブの鶴羽は、物語性のある芸術的な演技で独自の存在感を放つ。
6人はバランスがよく、来年もほぼ同じ顔触れで戦える見込みだが、今年の国スポで入賞を狙う。松永監督は「メンバーがそろい、実力もある。ただ、きれいなだけでは点にならない。力強さも必要」と力を込める。国スポ本番では、大分らしい洗練された美しさを保ちながらも、わずかな減点を防ぎ、加点を勝ち取るための表現力をさらに磨き上げる方針だ。「曲の世界観に全員が入り込み、ただ動くのではなく、物語を演じ切ってほしい。緊張すると表情が硬くなるので、全身で感情を放ってほしい」と求める。
舞台は整った。あとは本番で、練習以上の輝きを放つだけだ。久々の国スポ出場は、復活ののろしに過ぎない。美しさと力強さを融合させた演技で、かつて全国を沸かせた大分新体操の名を、再び全国の舞台で響かせる。その瞬間は、もうすぐそこまで迫っている。

(柚野真也)