
県ビーチバレーボール選手権 砂の舞台で輝く 楊志館高校1年生ペアが優勝 【大分県】
バレー
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女子の県高校ビーチバレーボール選手権で、輝きを放ったのが幸咲良(大分西3年)・兼高由衣(別府翔青3年)ペアである。2人は中学時代から同じ県選抜チームで汗を流してきた親友同士。ビーチの舞台で再び手を取り合い、頂点まで駆け上がった。
即席ペアでありながら、予選から決勝までの4試合で1セットも落とすことなく完全優勝。その裏には長年築いてきた信頼関係と、細やかな調整を重ねた努力があった。昨年は1学年上の先輩と組んで国スポに出場した幸が、「国スポに出場するなら兼高しか考えられない」とラブコールを送ったのが、ペア結成のきっかけだった。異なる高校に在籍するペアは異例で、2人の熱意が両校の指導者の心を動かした。
幸は俊敏な動きとレシーブ力に優れ、常に前向きな姿勢で仲間を鼓舞するムードメーカー。一方の兼高は長身を生かしたスパイクで得点源としての存在感を放つ。プレースタイルは異なり、互いの長所を補い合う関係は理想的だ。「高校でも練習試合を頻繁にしていたので中学からずっと一緒のチームみたいな感覚。お互いを知り尽くしているから、自然と連係がとれる」と幸は語る。昨年の国スポ出場経験を通じて「攻撃の幅が広がった」と自己評価し、「今年も自信を持って戦いたい」と意気込む。
兼高も「咲良のプレーから学びたい」と信頼を寄せる。ビーチバレーは風や砂、天候など自然の影響を受けやすく、インドアバレーとはまったく異なる競技だ。だからこそ、2人の強みであるコミュニケーション力と冷静な対応力が光る。
仲の良さとプレー中の明るさは、見ている側にも清々しい印象を与える。11日に始まる国スポ九州ブロック大会に、県代表として出場する2人。強豪がひしめく中で、「1勝するのさえ難しい」と幸は語るが、その表情に悲壮感はない。むしろ、挑戦を楽しむ余裕すら感じさせる。
互いを信じ、支え合いながら挑む国スポ九州ブロックの舞台。風の強さも、やけた砂の熱も、そして格上の相手にも臆することなく、2人は自分たちのスタイルを貫こうとしている。コート上ではアイコンタクトで呼吸を合わせ、失点しても笑顔で声をかけ合う姿が印象的だ。言葉を交わさなくても伝わる信頼と絶えない笑顔は、ひときわ強く、まぶしく輝いている。
(柚野真也)
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