県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
夏の甲子園出場を懸け 明日対戦
全国高校野球選手権大分大会第15日は23日、別大興産スタジアムで準決勝2試合が行われ、決勝は大分商業と明豊の組み合わせとなった。大分商業は4年ぶり16回目、明豊は2年ぶり6回目の優勝を目指し、明日午前10時から同スタジアムで対戦する。
準決勝では、大分商業は初回に相手のミスから3連打で3点を先制し、その後も追加点を挙げて柳ケ浦を8−1で下した。
明豊は1回と6回に3番濱田、4番杉園のホームランで大分舞鶴を13−3で退け、今大会全てコールド勝ちで決勝進出を決めた。
前評判通り頭ひとつ、ふたつ抜けていた第1シードの両校は、5月の県高校野球選手権でも決勝で対戦しており、5−4で明豊が勝利した。大分商業の渡邉監督は「打線がつながりはじめた。普段通りの力を出せば勝つ力がある」と自信に満ちた表情で語った。明豊の川崎監督は今季の公式戦3大会で頂点に立った自負があるのだろう。「互いによく知っている。全力を尽くし、良い結果を出す」。勝機は十分あると言いたげだった。
王者に隙なし、明豊
準決勝ではホームランが4本も飛び出す、派手な勝利を収めた。大会屈指の左腕・益川が相手であっても、好調打線はものともしなかった。初回から濱田と杉園がきれいな放物線を描くホームランを放ち、チームに勢いを与えた。2回は無得点に終わったが、それ以降は毎回得点を重ね、6回コールド勝ち。王者の貫禄勝ちだった。大技、小技を織り交ぜ、着々と得点する打線は切れ目なく、隙がない。
準決勝で2本塁打の濱田(2年)
タイプの異なる投手が継投する投手力も見事だ。各自がそれぞれの役割を担い、全うする。「打たれてもつなぐことを考えている」とは、準決勝で先発した佐藤(楓)。この安心感がスタミナ配分を考えず全力投球できる理由となっている。勝利の味を知るチームは強い。明豊には強者のメンタリティが備わっている。
大会前にキャプテンの三村は「どこが相手であっても負けるわけにはいかないし、負ける気がしない。優勝しか考えていない」と話した。見据える先は甲子園での勝利だ。決勝は甲子園への通過点であり、気負いなく試合に臨めそうだ。
今大会4本塁打の杉園(3年)
(柚野真也)
逆襲なるか!? 大分商業
エース古江が好調だ。ここまで5試合連続先発し、30イニングで失点1。近年の大分商業のピッチャーに伝わる“切れ味鋭いスライダー”が要所で決まり、危なげない投球の組み立てで安定感のあるピッチングを見せている。渡邉監督は「(スライダーの)あの握りは独特。それ以上は言えない」と伝家の宝刀について多くを語らない。決勝では、このスライダーを上手く織り交ぜ、強打の明豊をいかに封じるかがポイントとなるだろう。
2年生エースの古江が勝負のカギを握りそうだ
打線は勝負強さが際立つ5番平が好調だ。4番の三代が敬遠気味のフォアボールで出塁することが多く、「自分の役割に徹する」との言葉通り、送りバントのサインが出れば確実にランナーを進め、“打て”のサインが出れば待ってましたと言わんばかりに鋭い打球を飛ばす。続く6番平野は準決勝で3安打4打点と上り調子だ。
今大会では本領発揮できていないクリーンアップが大暴れすれば一気に頂点に駆け上がることができる。決勝戦は今季幾度となく苦杯をなめる結果となった相手だ。「同じ相手に何度も負けるわけにはいかない」と三代。主砲の一振りに期待がかかる。
準決勝で大暴れした6番・平野 (3年)