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夏の甲子園予選特集③ 今年の明豊は打高投高、一気に頂点目指す

夏の甲子園予選特集③ 今年の明豊は打高投高、一気に頂点目指す

 第101回全国高校野球選手権大分大会が7月7日に開幕する。大会直前特集の第3回は春のセンバツ甲子園でベスト4となった明豊。今大会の優勝候補筆頭だ。

 

戦力分析 総合 44

 

攻撃力 8

春のセンバツ以降、打線は湿りがちだったが大会に向けて急上昇中

守備力 9 

エラーは少なく、起きたミスを挽回できる修正力の高さは抜きん出ている

機動力 8

走塁で相手を揺さぶり、そつのない進塁でビッグイニングにつなげる力あり

投手力 10

ベンチ入りする5人の投手は全員完投できる力がある。経験値も高い

選手層 9

飛び抜けた選手はいないが平均値は高い。ラッキーボーイ出現に期待

(1〜10の段階評価)

 

 春のセンバツ甲子園でベスト4の実力は本物。飛び抜けた選手はいないが、投打ともにレベルは高く、誰が試合に出ても戦力が落ちることはない。投手陣は若杉晟汰(2年)、大畑蓮(3年)ら5人がベンチ入りする予定。全員先発完投型の投手だが、状況に応じたピッチングができ、対戦相手によって継投もできる。全国、九州の大舞台を経験し、それぞれが力を存分に発揮し大きな自信を得た。ここ数年の明豊は「打ち勝つ野球」が前面に出ていたが、川崎絢平監督は「今年はピッチャーの頭数がそろい、計算できる。ピッチャーを中心とした野球で、早い回に先制し、中押し、駄目押しで逃げ切りたい」と必勝パターンを描く。

 

大会に向けて打線も上り調子

 

 例年に比べて打力が落ちるかと言えばそうでもない。「爆発的な力はないが安定して5、6点は取る。派手な試合は少ないが、負けない試合ができる」と川崎監督。1番の表悠斗主将(3年)が先陣を切り、1年の夏の大会から試合に出ている布施心海(2年)、得点圏での勝負強さが際立つ野辺優汰(3年)、長打力が魅力の藪田源(3年)の中軸は破壊力がある。春のセンバツ以降は調子が上がらず、結果が出ないことでバッティングスケールが小さくなったが、表は「自分のスイングができるように心掛けている。大会に向けて改善できている」と話すように不安はない。

 

 新チームになり、九州大会、全国大会と大きな舞台で結果を残したが、川崎監督は「夏の甲子園出場を懸けた大会は別物。これまでの経験は夏に関しては一切関係ない。実力の他に運、勢い、そして応援の四つがかみ合わないと勝ち抜けない」と一発勝負の怖さを知っている。表も「ウチは第2シードで3、4番目のチーム。追う立場であり、一泡吹かせてやろうという気持ち」と挑戦者であることを強調する。最後の最後までチーム内で競争を続け、背番号をもらったベンチ入りメンバーは、責任とプライドを背負って甲子園の出場権を奪い取る覚悟だ。

 

【過去1年間の主要大会の実績】

第100回全国選手権大分大会 ベスト4

第91回選抜大会 ベスト4

第144回九州地区大会 ベスト8

第135回県選手権 1回戦敗退

 

(柚野真也)