バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
バサジィ 今季の仁部屋は次元が違う。全てのプレーで過去最高を更新
フットサルF1で開幕から5連勝のバサジィ大分。スタートダッシュに成功したチームをけん引するのが仁部屋和弘だ。チーム在籍13年目、“ミスターバサジィ”と呼ばれ、日本代表の主力として活躍するエースは、得点ランキングトップタイの9得点と目に見える形で結果を残している。
先月の新体制発表会見の席で伊藤雅範監督は、今季注目すべき選手は?の問いに対し、仁部屋の名前を挙げた。「チームが始動してから1人だけパフォーマンスが突出している。いつも飄々(ひょうひょう)としているが今季は目の色が違う。万全の仁部屋を見ることができるでしょう」と話した。その言葉通り、指揮官が最も重要なタスクとして求めた「ゴールに絡むプレー」を実践している。4節の長野戦では1試合5得点を決め、11-1で圧勝。伊藤監督は「1人だけ次元が違った」と脱帽した。
今季の仁部屋に目に見える大きな変化はない。身体が大きくなったわけでもなく、スピードが増したわけでもない。本人も「まだ手探りの状態。ベストではない」と認めるように、コンディションは万全ではない。それでも開幕から得点を量産し、絶好のスタートを切っている。
大きな変化はないが、よく目をこらすと昨季までの仁部屋とは違う点に気がつく。それがゴール前での落ち着きだ。今の仁部屋のシュートフォームは良い意味で力が抜けている。
スロースターターの仁部屋だが開幕から好調
仁部屋に好調の要因を尋ねると「特に変化はないけど、強いて挙げるなら気持ちの変化。これまで以上にフットサルを楽しめている」との答えが返ってきた。昨季は私事で選手の活動を半年以上休止していた。「休んでいた期間に気持ちの整理ができたというか、自分の好きなことが職業となっていることに感謝している。もっともっとフットサルを楽しむためにプレーを突き詰めたい」
今季が始まる前に意識したことは、ボールタッチの感触や置く場所。つまりファーストタッチの精度だった。「ほとんどのプレーはファーストタッチで決まる」(仁部屋)。ゴール前でも力まずに自然に身体が動いている。足の振りは力任せのものではなく、コンパクトで鋭い。シュートまでの一連の動きはよどみなく美しい。「ドリブル、パス、シュート。オフェンスにディフェンス。全てのプレーで別格なプレーを見せたい」
Fリーグ創設期からプレーし、日本代表でも数々の試合をこなし、31歳と円熟期を迎える。これまでチームのため、日本代表の勝利のためにプレーしなければいけないと呪縛にとらわれていたが、今は違う。「まずは自分がフットサルを楽しむ。楽しむためには勝利が必要」と優しくほほ笑む様子は、あくまでも自然体を保っていた。
今季は過去最高のパフィーマンスを見せてくれそうだ
(柚野真也)