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ブラックスジュニア(ラグビー) ノーサイドが原点

ブラックスジュニア(ラグビー) ノーサイドが原点

 大分舞鶴高校ラグビー部OBが主催する小学生対象のラグビークラブ・ブラックスジュニア。監督を務める福浦孝二氏は高校ラグビー“伝説の一戦”として今も語り継がれる1984年の第63回全国高校ラグビー大会決勝、大分舞鶴対天理戦で最後のゴールキックを外した“その人”だ。

 

 あの福浦選手が監督となりどんなに厳しい練習が行われているのか…と思えば、グラウンドを自由に駆け回る子どもたちはとにかく楽しそう。練習の間中、無邪気な笑い声が響いている。福浦監督は「まずはラグビーを楽しんでほしい。ラグビーが好きな子に育てることが一番の目的」と話し、技術的なことはしっかり教えるが、考えを押し付けたり、行動を強制したりすることは一切ないという。

 

 心からラグビーを楽しみながらも、学年が上がれば子どもたちには、もっとうまくなりたい、試合に勝ちたいという強い思いが宿る。「ラグビーにはさまざまなプレーがあり、どんなタイプの子も得意なことが見つかる。得意なことが見つかれば自信がつき、誰に言われなくても頑張ってみようという気持ちが生まれる。私たちはそれをサポートするだけ」(福浦監督)。培われた向上心は“力”となり、チームは現在、県内でもトップクラスの実力を誇る。昨年9月に行われたトライドリームカップ大分県予選優勝(6年生)、続く九州大会第2位グループ2位(5・6年生)、今年2月の大分県ミニラグビー冬季大会優勝(6年生)など輝かしい成績を残している。

 

小学1年生から6年生まで総勢35人

 

 「試合に勝つのはうれしいことだが、そこに重きを置いている訳ではない。子どもは成長期が早いか、遅いかで力に大きな差が出る。もしかしたら明日には逆転しているかもしれない。試合結果も成長“過程”の一つだと思っている」。福浦監督は、結果より、試合に出て勝つ喜び、負ける悔しさを知り、何か一つでも感じ取ること-それが大事だという。

 

 礼儀などを厳しく指導するクラブチームも多いが、「やらされたことは身につかない」というのがブラックスジュニアの考え。子どもたちは、先輩を見て年齢に応じた礼儀を自然と身につけ、練習、試合の中でコミュニケーションの大切さなどを知る。自ら学んだことは心に深く刻まれ、決して忘れることはない。それこそが真の成長といえるのかもしれない。

 選手たちのほとんどが中学でラグビーを続ける。それは監督はじめ指導者たちの思いが伝わり、大分ラグビー界の未来を担う「ラグビーが大好きな子ども」が育っている証しでもある。

 

高学年になれば練習にも熱が入る

 

クラブデータ

 

大分舞鶴ラグビークラブ・ブラックスジュニア

練習場所:大分舞鶴高校 第2グラウンド

対象学年:小学生

練習日:毎週日曜日10:00〜12:00(5・6年生は土曜日も実施)

対象地区:なし

問い合わせ:090-4987-3324(福井)

 

(甲斐理恵)

大会結果