
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
過密日程の中で戦力の底上げと結果を同時に追求する大分トリニータ。10日のYBCルヴァンカップ第3節で神戸に完敗したが、リーグ戦は6戦を消化し、4勝2敗と好結果を残している。片野坂知宏監督は「リーグ戦はいいスタートが切れている。われわれはチャレンジャーであることは変わらない。得点を取らないと勝点3は取れない」と語り、より攻撃的にアグレッシブに戦う。
ここまでの好調の要因は、戦術の積み上げに尽きる。片野坂監督がJ3から構築したサッカーを、細部まで突き詰めている印象だ。GKを加えた最終ラインから攻撃を組み立て、崩し切る形もあるし、ボランチを経由してサイドアタックもある。6試合で6得点の好調ストライカー・藤本憲明を生かしたカウンターもある。パスワークをベースに、さまざまな攻撃パターンを持っているから、抑えどころを分散できている。
ただ、敗戦した松本や広島戦を振り返ると、「引いた相手に対してビルドアップ(後方からの攻撃の組み立て)がうまくいかず、崩し切れていない」と多くの選手が課題を口にしている。敵の守備ブロックの間でパスを受けようと試みたり、サイドに起点をつくって相手を引きつけてからの展開にトライしているが、確かに守りを固められると攻めあぐねる場面は多い。
今節対戦する仙台は、大分が苦手とする同じ3-4-2-1のシステムを敷く相手。高い位置でボールを奪いにくればパスワークで崩すことができるが、自陣に守備ブロックを築かれたときは苦戦しそうだ。「仙台がどんな形で来るか分からないが、焦れずに攻撃するしかない」と藤本。テンポよくボールを左右に動かして相手を揺さぶり、“穴”をつくり出すことができれば、中盤の小塚和季や前田凌佑のスルーパスが生きてくるだろう。
6試合で6得点の藤本憲明
大分のサッカーは特徴的だからこそ、相手にとっては対策を練りやすい。相手に研究される中、片野坂監督は「その都度、狙いを変えて変化を加える」と選手や立ち位置を変え、新たな方法論を示している。選手も自分たちのサッカーが進化しているという手応えを得ているようだ。「研究されるというのは相手が脅威と感じているということ。でも、ウチとしては研究されても、その上をいけばいい。それができなければ勝てない。チーム全体で意思統一して、相手を崩していく。それがうまくいったときは気分がいい」(前田)
そのために重要となるエリアはどこか。前田にキーマンを尋ねると、次のような答えが返ってきた。「どのポジションも重要だが、攻撃では前のトライアングルの動きがカギを握っていると思う。ボランチからどれだけうまくパスを配球できるかもポイント」。特に前線の3人はボールを受けるまで多くの駆け引きをしている。サイドの選手を含め、どうやってフリーになるのか。そういったボールのないところの動きに注目したい。
パスの供給源となる前田凌佑(中央)
(柚野真也)
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