OITA SPORTS

7/1 TUE 2025

supported by

聖晃産業グループ

野球 野球

センバツ高校野球 大分 打撃強化が実り、甲子園初勝利目指す

センバツ高校野球 大分 打撃強化が実り、甲子園初勝利目指す

 甲子園初勝利を目指す大分。夏は2度出場したが未勝利。初めての選抜高校野球大会で念願の1勝が目標だ。キャプテンの足立駿(2年)は「いい雰囲気で練習ができている。守備からリズムをつくって、初球からガンガン打っていきたい。(選抜大会に)出場することに満足せず、優勝を狙いたい」と言い切る。

 

 自信は積み重ねた練習から生まれた。秋の九州大会を準決勝で終え、「全国で勝つためには打撃力が足りない」と松尾篤監督は考えていた。4番の中尾拓士(2年)も松尾監督と同じ思いだった。選手ミーティングで話し、全員が納得した上で指導陣に「練習の1時間を打撃強化に費やしたい」と直訴した。松尾監督は選手が率先して提案したことを喜んだ。それから、ほぼ毎日800本以上の素振りをして、手首強化、スイングスピードアップを図った。

 

 成果は早い段階に出た。「2、3週間すると、これまで見たことのない打球が飛んだ」と松尾監督。球威に押されず、力強い打球が広角に打ち分けられ、飛距離も伸びた。今月の対外試合でも打ち合いを制し、複数の選手が「どこからでも点が取れるチームになった」と話すように手応えをつかんだ。

 

練習から選手が意見を言い合い、互いを高める

 

 投手力はエースの長尾凌我(2年)が引っ張る。秋の九州大会では3試合完投。27イニングを一人で投げ抜いた。制球力があり、変化球にキレがある。打たせてアウトを取る頭脳派のピッチングは崩れにくく、計算できる投手として松尾監督は絶大な信頼を寄せる。もちろん、選抜大会を一人で投げ抜くことは難しい。長尾は「誰にもマウンドは譲りたくない」と話す。「もちろん継投は大事だし、チームが勝つためであればリリーフだってする」と勝つことが第一優先だが、先の言葉は掛け値なしの本音だろう。

 

 「長尾を中心としたピッチャーが5点以内に抑え、打線が5点以上取る。打ち合いになればうちのペースになる。われわれは挑戦者、怖いもの知らずでいい」と松尾監督は青写真を描く。また、あえて古臭い「ど根性の野球」を掲げ、ユニフォームが真っ黒になるまで泥臭くボールに飛びつき、一球入魂で食らいつく打撃を選手に求める。

 松山聖陵(愛媛県)との初戦に向けて、キャプテン足立は「技術は磨いてきたので、あとは心の部分。気持ちでは絶対に負けない」と気合を入れた。

 

率先して声を出すキャプテンの足立駿

 

(柚野真也)

 

センバツ高校野球 県勢2校出場

目標は明豊史上最高のベスト4以上