
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
・3年生の思いを成就
・1年間の集大成としての仕上げ
・勝つための勢い
最後のギアを入れる―。相原昇監督は3年生にとって最後となる大会で、これまで積み上げてきた自分たちのバレーボールを全て引き出すつもりだ。全国高校総体3位、単独校で出場した国体で3位となったが、選手は悔し涙を流した。「あの2度の涙を見たときに勝たせてあげたいと強く思った。全日本高校選手権大会(春の高校バレー)で日本一になって、最高の形で3年生を送り出したい」。
日本一になるために何が必要か。「今までやってきたことをやればいい。新しいことをしようと思うと迷いが生まれる。シンプルに勝つためのプレーをして、勝つための空気感染を起こせばいい」と相原監督。目指すは完成度の高いバレーであり、分かっていても止めることのできない高速バレーを追求する。
東九州龍谷(東龍)にとって春の高校バレーは唯一無二の大会との思いは強い。春の高校バレー5連覇の記録は未だに破られることのない金字塔だ。「春の高校バレーで日本一になりたい」と全国から東龍を目指す選手は後を立たない。今大会では両サイドへの平行トスはもちろんだが、その攻撃を生かすために時間差やバックアタックなど取り入れ、相手に的を絞らせない変幻自在の攻撃を披露する。相原監督は「出し惜しむことなく初戦から全力で勝利を目指し、そのままの勢いで日本一まで駆け上がる」と思い描く。
3年生は昨年、全国高校総体で優勝し、春の高校バレー、国体で準優勝を経験した選手が多い。主力として勝利に貢献したキャプテンの平山詩嫣(3年)は、「あれは先輩たちが勝ち取ったもの。私たちの代は何も成し遂げていない。これが日本一になるための最後のチャンス」と自分たちが最終学年になったときに日本一を、それも春の高校バレーで達成することを望んでいる。平山は誓う。「優勝してみんなで号泣したい」。彼女たちは悔し涙より、うれし涙がよく似合う。
梅津憂理(3年)
ウイングスパイカー、2000年8月23日生まれ、175cm、上毛中学校出身(福岡県)
中津市出身の梅津憂理は小学校の頃から名の知れた選手だった。代名詞である強烈なスパイクを磨き、「赤いユニフォームに憧れて」東龍に入学した。2年時には主力としてコートに立ち、全国高校総体で日本一を経験した。
力強いプレーが持ち味だがだ、コートの外では「怒ったところを見たことがない。これでもかというぐらい優しい」(平山)。温和な性格が災いして勝負どころの甘さがあったが、「最終学年になり厳しさが出るようになった。梅津が爆発した時の東龍は敵なし。春の高校バレーで大暴れしてほしい」と相原監督は期待する。
今大会での日本一はもちろんだが、「1日でも長くこのメンバーでバレーがしたい」というのは本音だ。強気な発言はないが、決して弱気ではない。「大切な仲間と最高の時間を過ごしたい」との思いは日に日に高まっている。何かしてくれそうな雰囲気が、今から漂っている。
春の高校バレー県予選・女子決勝の記事はこちら→「東龍が貫禄の19連覇!」
(柚野真也)
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