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アーチェリー 己を律し、己に勝ち、全国上位を目指す 筒井楓(大分舞鶴2年)

アーチェリー 己を律し、己に勝ち、全国上位を目指す 筒井楓(大分舞鶴2年)

 県高校新人大会のアーチェリー個人女子で優勝した筒井楓(大分舞鶴2年)の見据える先は全国大会での上位入賞だ。

 今月15日に行われた団体・個人70mの部予選では、72射(36射×2)で594点を記録し、男女合わせて最高得点で翌日の決勝ラウンドに進んだ。3射5セットマッチの勝ち抜きトーナメントで行われた決勝ラウンドでは、集中力を高め、「普段通りに打てるように緊張感を持って打った」と相手にポイントを与えることなく圧勝した。

 

 筒井がアーチェリーと出会ったのは中学3年の頃。高校でアーチェリー部に所属していた姉の練習を見ていたときに、「たまたま打ったら、たまたま当たった」。あのときの高揚感が忘れられず、そこから矢を射て的に当てる競技に心奪われた。

 幼い頃から剣道をしていたこともあり肩の筋肉は強く、弓を引く力は人並み以上にあった。また、168cmの長身で手足が長いため、矢の速度が速く、少々の風ではブレない。身体的な能力が高く、アーチェリー向きだった。

 

 高校入学を機にアーチェリーを始めたのだが、幸か不幸かアーチェリー部がなかったため、アーチェリー場に足繁く練習に通ううちに、多くの社会人選手などからアドバイスを受け、自分で考えながら競技に取り組むようになった。「練習時間が短いので常に一投目から集中して打つ習慣ができた」と技術的な練習に加え、集中力を養う練習が自然と身に付いた。

 

高校からアーチェリーを始めた筒井楓

 

 ただ、デメリットもあり、試合前や試合中に自分では気付かないフォームの乱れを微調整できない。アーチェリーは弓を射るまでのルーティーンが多いが、筒井は「私の場合はここだけを気を付ければいいというポイントが(他の選手に比べ)少ない。感覚がズレたときの引き出しが少ないので修正できない」と話す。他にも大会に出場するときの事務手続きなど、競技以外での苦労も絶えない。

 

 それでも冷静に自分を客観視し、自分を律し、向上心を高く保つことで壁を乗り越えてきた。正確に矢を射り、弓をコントロールする強靭(きょうじん)な筋力を身に付け、プレッシャーに打ち勝つ強い精神力を求め、日々努力する。そんな娘を母は、「自分で目標を立て、自分で方向性を決めるしっかり者。周りの方の助けもあり、一生懸命に練習できている」と見守る。

 

 無所属、無名だった新人は着実に力を付け、今年3月の全国選抜大会、6月の全国高校総体(インターハイ)に出場し、予選を通過するまでとなった。「コンスタントに”全国標準”の600点を出せるようになったら全国で戦える。そこを目標にこれからの大会で結果を出せば、アーチェリーをしたい人が増え、部ができればうれしい」と笑顔で話した。

 

九州大会、全国大会での活躍が期待される

 

(柚野真也)