OITA SPORTS

7/1 TUE 2025

supported by

大徳電業

バレー バレー

バサジィ・バレー 逆境を力に変えて

バサジィ・バレー 逆境を力に変えて

 5月20日に行われた「天皇杯・皇后杯全日本6人制バレーボール選手権大会」九州クラブブロック予選は不完全燃焼に終わった。この試合はバサジィの選手たちに何をもたらすのか。コーチや選手の言葉を踏まえつつ、チームが置かれた現状をレポートする。

 

 今年最初の公式戦となった天皇杯・皇后杯九州クラブブロック予選に勝ち、九州ブロック予選に進出する狙いだった。初戦の福岡春日シーキャッツに0−2で敗れ意気消沈。続く北九州ブルースプリングスには2−0で勝利したが、望みはかなわなかった。課題ばかりが噴出した試合というのが大方の見方だろう。

 

 とはいえ、そこまで悲観する内容ではなかったようにも思う。「内容的にはできた部分と課題が残った部分があった」。西原大樹コーチが語ったように、機能しなかった部分がなかったわけではないが、攻撃に関しては一定の成果が得られたように感じる。今年に入って取り組んだスパイクの個別練習の成果は発揮できた。エースの伊藤あかねのバックアタック、山下志保の巧みなブロックアウトは要所で決まった。「相手を見て打てるようになった。点を取るバレーができた」と山下は手応えを語っており、プラス要素と言ってもいいはずだ。さらに言えば、ここに新加入の藤古彩乃のセンター攻撃が加われば、バリエーションが生まれ、得点力アップにつながるはずだ。

 

敗戦を糧に再出発を図る

 

 課題はメンタルの部分だ。山下が「緊張からなのか、試合慣れしていないのか、練習試合でも大会でも出だしが悪い」と振り返ったように、2試合とも序盤に大きくリードを許し、厳しい試合展開となった。「ここから反撃というときにサーブミスを連発し、自分たちで流れを崩した」とキャプテンの亀井亜由美。勝負の機微を感じ、流れを引き寄せる力が、まだこのチームにはない。

 試合後のミーティングで西原コーチは「チームとしても個人としても、現時点での力が分かったと思う。ここが限界と思うのか、伸びしろがあると考えるのかで大きな差となる」と話し、「悔しがるのは誰でもできる。ここから這い上がれるかは自分たち次第。そうでなければ、もう練習をしなくていい」と強い言葉を投げかけた。

 

 選手はこれまで反骨心を燃やしてチームの力につなげてきた。大会を終えて1週間後の練習再開では選手一人ひとりが強い思いを秘め体育館にやってきた。亀井が「天皇杯・皇后杯に出場するためには県予選が残っている。今回のような失敗を繰り返さないようにやっていけばいい」と力強く語れば、山下も「チームとして足りないところがあったから勝てなかったと、何人が本気で思っているかが大事になる」と前を向く。さまざまな逆境をくぐり抜けてきた選手たちは、苦い経験も糧にしてくれるはずだ。

 

反骨心を燃やしてチームの力につなげる

 

(柚野真也)