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全国高校総体 テニス男子 県勢初の頂点に立った松永朔太郎(大分舞鶴3年) 【大分県】

全国高校総体 テニス男子 県勢初の頂点に立った松永朔太郎(大分舞鶴3年) 【大分県】

全国高校総体テニス競技

8月8日 レゾナックテニスコート

男子シングルス決勝

松永朔太郎(大分舞鶴)4-6、6-2、10-4逸崎獅王(相生学院・兵庫県)

 

 県勢初の頂点に立った。全国高校総体のテニス男子シングルスで決勝に挑んだ大分舞鶴の松永朔太郎(3年)が、相生学院(兵庫)の逸崎獅王(3年)にタイブレークの末に勝利。2時間余りの大熱戦に終止符を打った。勝利が決まった瞬間、松永は両手を大きく広げ、勝利の味をかみ締めた。「小さい頃から日本一になるのが夢だった」と万感の思いが込み上げた。

 

 舞鶴対決となった準決勝の渡辺脩真(3年)との試合に8-3で勝利し、日本一を託された。試合後に「脩真が任せたと言ってくれた」と高校1年の頃からチームメートであり、ライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)した渡辺の思いを背負って臨んだ決勝戦。気負い過ぎた感は否めず、第1セットを落とした。

 

 「気持ちを切り替えたかった」(松永)とコートを離れ、勝負服の赤のユニフォームに着替え、第2セットを迎えた。ストロークが安定していたので「気持ちを切らさないように集中した」。猛暑でコート上は暑く、判断力が鈍る。暑さは相手にとってもきつく、強引な強打でミスも重なり、イライラする場面が見てとれたが、松永は一喜一憂することはなかった。集中力を研ぎ澄まし、シンプルに自分の間合いで打つことを心掛けた。

 

優勝を決めた瞬間に勝利のガッツポーズ

 

 潮目が変わったのは、サービスゲームをブレークした直後の5ゲーム目。ジュースが続き、セットポイントを取ると主導権を握った。「次のゲームからリラックスしてサーブも良くなり、ストロークも伸びていた。流れが来ていたので押し切ろうと思った」と松永。第2セットを奪い、タイブレークに入ると持ち味の攻撃的スタイルのギアを上げ、相手を寄せ付けなかった。

 

 高校を機に親元を離れ、福岡から越境入学。全国中学生テニス選手権3位を手土産に「大分開催となるインターハイで日本一になる」と宣言したが、ここまでの道のりは楽なものではなかった。全国の強豪校の仲間入りした大分舞鶴で1年生の頃から全国高校総体、全国高校選抜に出場した。順風満帆と思われたが思うように結果が出なかった。九州王者にこそなったが全国で勝てない時期が続く。全中3位という過去の栄光が重荷になることもあったが、3年の夏に花を咲かせればいいと言い聞かせた。不安を打ち消すためにラケットを振り、ボールを追い続けた結果が高校チャンピオンだ。ただ、ここが最終目標ではない。「次は大学日本一を目指したい」と次の高みへ駆け上がっていく。

 

これまでの道のりの険しさを語ったとき、目に涙が浮かんだ

 

 

(柚野真也)