
技と心を鍛えて勝ち取った全国3連覇 佐伯豊南高校工業部 【大分県】
「0−1MOVER MIE」とは三重総合高校演劇部の通称だ。演劇を中心に、音楽やダンスを、音響、照明、映像などを使って舞台で表現する。演劇部は「魂を揺さぶる、心を突き刺す、時には優しく包み込む」という世界観を大事にしている。それが形となったのが、第63回九州高校演劇研究大会で最優秀賞と舞台芸術賞を受賞した作品「『ねえMAM…』〜羊群に紛れる猫と猿山を見上げる犬〜」だ。
「ねえMAM…」は、顧問の角陽一郎教諭のオリジナル作品。初演は2018年で、20年、21年と再演した。角教諭は「ようやく作品が評価されたこともあるが、公演を繰り返してブラッシュアップし、生徒たちの力量も上がり、今回は賞が取れた。伝統といえば簡単だが、これまでの先輩たちの歴史の積み上げがあったからこそ」と話す。今回の受賞について、部長の佐藤美渚(2年)は「演者が変わると表現が変わり、同じ作品でもその時のメンバーの色が出る。誰一人同じ色のない部員の個性が、作品の世界に合った」と振り返った。
九州高校演劇研究大会で最優秀賞などを受賞した
九州の演劇部がある約200校の中から、全国高校総合文化祭に出場できるのは1校だけ。狭き門を突破した三重総合は、7月の開催に向けて、もう一度演者が入れ替わり、新たな「ねえMAM…」を創作することになる。角教諭は「3年生が卒業し、新1年生を加えてからのスタートとなる。多様な個性を誘導し、生徒がベストを尽くせるようにすれば、結果はついてくると思う」と期待する。佐藤は「今回よりさらにいい作品となるように、力を合わせて作り上げたい」と強い決意を示した。
全国高校総合文化祭に出場する三重総合高校演劇部
(柚野真也)
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