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全国高校ラグビー大会 大分舞鶴が尻上がりに調子を上げ2回戦進出

全国高校ラグビー大会 大分舞鶴が尻上がりに調子を上げ2回戦進出

 第101回全国高校ラグビーフットボール大会の1回戦が27日、東大阪市花園ラグビー場などで行われた。県代表の大分舞鶴は倉敷(岡山)に22-0で勝利し、2回戦に進出した。大分舞鶴は前半8分に自陣10メートル中央付近から右に展開して最後はウイングの左村碧月(3年)が鮮やかに先制トライを奪う。後半は岩田力也(同)の2トライなどで点差を広げ、3年ぶりの花園で好スタートを切った。

 

 キャプテンの島正輝(同)が「前半は緊張で硬くなり、自分たちのプレーがいつも以上にできなかった」と話したように、花園経験者不在のチームは浮足立った。ゴール前でのミスが続き、先制トライを奪ってからもリズムに乗れなかった。ただ、守備は崩れることなく、前半を7-0で折り返す。

 

 ハームタイムに動いたのは杉本圭監督だった。普段は選手の自主性を重んじ、指示を出すことはほとんどないが、この日は先陣を切って大きな声を出した。後半が始まる前に選手にランパスをするよう伝えた。「緊張していたので体を動かすというよりは声を出させた」。緊張がほぐれた選手に「プレッシャーを感じず、自分のために納得できるプレーをしよう」と声を掛けてピッチに送り出す。

 

前半は緊張で硬さが目立った大分舞鶴

 

 小刻みなパスワークでボールを動かし、テンポを上げると硬さが取れ、精彩な動きが戻った。後半12分に二つ目のトライ。その4分後にラインアウトからモールで押し込む「自分たちの形」でトライを奪うと、フォワードで押し込み、バックスに展開する本来のスタイルが戻る。花園出場58回目、伝統の黒いジャージが躍動した。「ようやく普段通りのプレーができた。今日の反省点を選手は分かっているし、自分たちで既に解決できている」。試合後の杉本監督はいつもの「静の監督」に戻っていた。

 

 苦労しながらも相手に付け入る隙を与えず、3年ぶりの花園で勝利。先制トライの左村は「県予選まではフォワードに頼っていたが、花園ではバックスがいいプレーをしてチームを引っ張ろうと話していた。反省点はあるが、新しい舞鶴の形を見せることができた」と胸を張った。次はシード校の石見智翠館(島根)と対戦する。島は「次は最初から自分たちのラグビーをしたい。いい準備をして試合に備えたい」と話した。

 

ラインアウトから3点目とトライを決めた

 

 

(柚野真也)