国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
その他
3年生、夏物語 vol.13 なぎなた チーム力で勝ち取った2冠、次はそれぞれの3冠を目指す大分西
3冠達成は成し遂げられなかったが、それぞれの目標に向かって歩み始めた大分西高校のなぎなた部。キャプテンの足立陽菜は、「最高の仲間がいたから頑張れた。これまでやってきたことは胸を張れるし、自信を持って次の目標に向かいたい」と晴れやかな笑顔で語った。
3月の全国高校選抜大会に続き、8月の全国高校総体の女子団体試合で優勝。春夏の王者となり、秋の国体で史上初の高校3冠にあと一歩と迫ったが、新型コロナウイルス感染症の第5波により国体の開催中止が決まり、夢は途中で終わった。
「国体優勝に向けて課題も見つかり、気持ちが高まっていたので残念」と話す橋爪千聡は、全国高校総体では個人試合で優勝し、団体試合の決勝トーナメントでは次鋒として4試合全てで勝利し、2冠の立役者となった。無双と呼ぶにふさわしい体さばきで調子を上げていただけに偉業達成の期待が膨らんでいた。複雑な心境を胸にしまい、大学でも競技を続ける。「来年は成年女子で国体に出場して優勝したい」と1年越しの3冠を目標とする。
個人、団体で優勝した橋爪千聡
団体試合で副将を務め、個人試合と演技を合わせると3種目で全国高校総体に出場した三重野愛梨も競技を続ける一人。一度は競技生活にピリオドを打つことも考えたが、「この3年間でなぎなたがどんどん好きになった」。心境の変化ともに「団体で優勝したけど、個人としては満足できる結果ではなかった。このままでは終われない」と、大学で日本一になることを誓った。
バックアップメンバーとしてチームを支えた佐藤亜衣は、「1年生の頃から日本一を目標にして、達成できた。本当にすごいことだと思う」と胸を張る一方で、「インターハイ(全国高校総体)で試合に出られなかった悔しさはある。悔しいまま終わりたくない。成長した自分を見せたい」と競技を続ける。
試合に出た選手、出なかった選手もいたが、「全員で勝ち取った日本一」との自負がある。3年生8人、異なる個性が集まった集団は「考え方もいい意味でバラバラ。意志が強く、思いやりがあった。全員で支えあったから2度も日本一になれた」(足立)。なぎなたは個人競技であるが、大分西には「みんなで一つ」という意識が強い。これこそ、大分西の強さの源だった。
3年生のチーム力が2冠の原動力となった
(柚野真也)