
珠玉の一枚 Vol.40 【大分県】
剣道
今年の明豊は強い。岩本貴光総監督は「限りなく日本一に近いチーム」と断言する。その言葉通り、6月に開催された県高校総体では圧倒的な強さで連覇を達成した。昨年も全国高校総体の出場権を得ていたが、新型コロナウイルスの影響で全国への道が閉ざされ涙を飲んだ。選手たちは、昨年出場できなかった先輩の思い、大会が開催されることへの感謝を胸に、チーム一丸となって日本一を目指す。
勝利の鍵を握るのは3年生。大将の宮田陽子は岩本総監督いわく“高校剣道界の逸材”。統率力、協調性も高く、精神的支柱としてチームをけん引する。副将の釘宮理沙は身体能力抜群で、ここ一番の強さがある。
3年生中心のチームだが2年生も負けてはいない。注目はポイントゲッターの奥日菜乃。県高校総体個人戦で2年生ながら優勝し、団体、個人共に活躍が期待されている。本人も「チームを勢いづけるのが自分の役目だと思っている」と気合十分。
全国制覇に向けて練習でも気合が入る
「最強のチームが日本一になるために必要なものは」と問うと、岩本総監督は「今までやってきたことを出せるか。自分をどこまで信じられるかにかかっている」と話す。自分を信じ抜く強い精神力を得るためには、練習あるのみ。大会までの期間は、応じ技を中心に練習に打ち込んでいる。どれだけ力があっても自分勝手に仕掛けては勝てない。相手の動きを読み、技を出す瞬間に仕掛ける。相手の力を利用し、最小限の力で勝つ。日本一をつかむためには、がむしゃらに突き進むだけではなく、考え、先を読む力が必須だという。
2019年創部の女子の活動歴は他校と比べ、圧倒的に短い。岩本総監督は「代々積み重ねたものが強さになる。まだ歴史も伝統もないのがうちの弱み」と話すが、現在チームはとてつもないスピードで進化、成長している。「最後の夏を全力で戦えると信じている」(宮田)、「日本一になって先生方に恩返ししたい」(釘宮)。そう覚悟を語る選手たちが、明豊女子剣道部の歴史と伝統を刻んでいくに違いない。
全国高校総体の剣道は8月10日から、石川県金沢市のいしかわ総合スポーツセンターで開催される。
最強メンバーと呼び声の高い明豊
(甲斐理恵)
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