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県高校総体前特集 バレーボール女子(1)東九州龍谷 完成途上の絶対王者 【大分県】

県高校総体前特集 バレーボール女子(1)東九州龍谷 完成途上の絶対王者 【大分県】

 県高校総体まで残り1カ月を切った。前哨戦の全九州総合県予選は東九州龍谷が制し、その強さは依然として盤石だ。春高3位メンバーを軸にした新チームは攻守に隙がなく、41連覇へ死角は見えない。だが、大分商業が充実の戦力で王座奪取に挑む。さらに国東、臼杵も上位進出を狙い、勢力図に揺らぎをもたらすか。頂点を巡る戦いは、すでに始まっている。

 王者に隙はない。1月の全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)で3位に入り、その中心メンバーの多くが残った東九州龍谷は、2月の全九州選抜高校大会に続いて5月の全九州総合選手権大会でも九州制覇し、着実に頂点への階段を上っている。結果だけを見れば盤石。しかし、慢心はなく、「まだ弱い」という自覚を持ち続けている。

 チームの核となるのは、女子日本代表登録メンバーにも名を連ねるキャプテンの忠願寺莉桜(3年)だ。スパイクのコース幅の広さを武器に、相手ブロックを翻弄する決定力は世代屈指。絶対的エースに加え、180センチの高さを誇る松尾侑和(3年)、パワフルなスパイクを武器とする鎌倉詩織(3年)、そして著しい成長を見せる兼武咲希(2年)と、多彩な攻撃陣が並ぶ。さらに、1年時からコートに立ち続けてきたセッター吉村はぐみ(3年)が全体を操り、攻撃にリズムと再現性をもたらす。個の能力と組織力が高い次元で融合した布陣である。

セッター吉村が攻撃を組み立てる

 だが、竹内誠二監督の視線はあくまで冷静だ。「全体的にレベルアップはしているが、まだ細かいミスが多い」。試合勘の不足やプレーの波といった課題を明確にし、「一つ一つ丁寧に積み上げていく」ことを強調する。昨年のチームの安定感に対し、今年は波がある。その振れ幅をいかに小さくするかが、さらなる高みへのカギとなる。

 もう一つの軸が「全員バレー」である。主力がそろう一方で、誰か一人に依存する構造ではない。「誰が出ても戦える準備をしている」と竹内監督が語るように、1年生を含めて幅広い選手を起用しながら最適解を探る段階にある。層の厚さこそが、日本一を勝ち抜くための絶対条件だ。チーム内の競争と連帯、その両立が完成度を押し上げている。

県総体の先の全国総体で日本一を狙う

 キャプテンの忠願寺もまた、その意識を共有する。「全員が試合に出られる力を持っている。だからこそ“全員バレー”で勝ち切りたい」。代表活動と高校最後のシーズンを並行する中でも、視線はぶれない。「まずはチームで日本一を取ること」。その上で、世界レベルの環境から得たものを持ち帰り、チームの力へと変換していく覚悟がある。

 圧倒的な戦力を誇りながらも、未完成であることを自覚する集団。だからこそ伸びしろがある。県高校総体、そしてその先の日本一へ。東九州龍谷は勝ちながら進化を続ける。


(柚野真也)

大会結果