
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
今季のヴェルスパ大分は30代選手の活躍が光る。GK姫野昂志(30歳)、DF浦島貴大(33歳)、FW中村真人(31歳)。昨年もチームの屋台骨を支えた。ベテランと呼ぶには心苦しく、彼らはピッチに立てば誰よりも俊敏にボールに反応し、力強くボールを跳ね返し、コンタクトプレーもいとわない。とりわけ最前線で泥臭く体を張り、相手DFとの競り合い、空中戦で真っ向勝負を挑む中村に陰りは見えない。
リーグ戦8試合を終えて、全て先発出場。チーム最多の4得点を記録し、勝利に貢献している。22日の「第101回天皇杯全日本サッカー選手権(天皇杯)」では延長を含む120分フル出場。運動量だけでなく、相手との競り合いが多く、体力の消耗の激しいポジションでありながら、そのタフさは際立つ。「泥臭くプレーすることが僕の特徴なんで」とサラリと言うが、傷やアザは絶えない。チームに求められるプレーをひたむきに実行する中村に、チームメートは絶大な信頼を寄せる。
前線からアグレッシブに動く中村真人
自陣でパスをつなぎ、相手の陣形を動かすのがチームのスタイルだが、前線から強度の強い守備をする相手には大きく前方に蹴り出すパスも必要になる。キャプテンの篠原宏仁は「ウチにはボールを収めてくれる選手が前にいる」と、中村を目がけてパスを送る。姫野も、相手のシュートを止めるとまずは中村の位置を確かめ、一気にカウンターを狙う。山橋貴史監督は「前線で起点になれる選手がいることで、チーム戦術の幅が広がる」とポストプレーを高く評価。シュート技術の高さも認めており、天皇杯のPK戦では、「勝負の決まる状況では中村が必ず蹴れ」とだけ指示をした。
30歳を過ぎれば、とりわけフィジカル面に老いは確実に忍び寄ってくる。個人差はあれど、誰もがその恐怖から逃れることはできない。ただし、肉体の衰えは頭でカバーできる。経験から得た推理力、試合を読む力で無駄に体力を消耗しない。中村のプレーを見ればギアの入れどころが明確で、守備においても遮二無二ボールを追うことはない。
リーグ連覇、J3昇格を目指すチームにとって、中村のようなベテラン選手は心強い。中村は「ゴールに迫れるシーンを増やしたい」と気負うことなく自分のプレーに専念するが、「チームの勝利が全て」とも語る。ベテランが昇格への道標となる。
今季も得点とポストプレーで勝利に貢献する
(柚野真也)
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