県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
九州地区高校野球大会 チームを勢いづけたリードオフマン 立山颯汰(藤蔭3年)
第148回九州地区高校野球大会
1回戦 4月24日 別大興産スタジアム
東福岡 100 121 000 |5
藤蔭 102 050 00× |8
2回戦 4月25日 臼杵市民球場
藤蔭 000 030 000 |3
鹿児島実業 100 302 10× |7
九州地区高校野球大会では2回戦で大会を終えた藤蔭だが確かな手応えをつかんだ。1回戦では16安打8得点と打線が爆発し、2回戦も10安打と好調だった。打線を活気づけたのが立山颯汰(3年)。東福岡戦での3回、先頭打者としてバッターボックスに立った立山は、左前二塁打を放った。今大会を通して初球から積極的にバットを振り、果敢な走塁で得点を呼び込んだ。
竹下大雅監督は「キャプテンの立山がリードオフマンとして引っ張った。攻める走塁で二塁打にしたことでチームが勇気づけられた」と振り返り、このプレーが今大会の藤蔭打線爆発の導火線となったことを明かした。立山をファイターと表す竹下監督は「手首、股関節、膝に故障を抱えながら一切の弱音を吐かない。プレー同様に言葉よりも行動で示すタイプのキャプテン」と全幅の信頼を置く。
1番打者としてチームを勢いづけた立山颯汰
立山には忘れられない言葉がある。コロナ禍で昨夏の全国高校野球選手権が中止となり、3年連続出場の記録は今年に持ち越しとなった。前キャプテンに「俺らは挑戦することさえできなかったがお前たちには3連覇の道がある。俺たちの悔しさを晴らしてくれ」と思いを託された。不完全燃焼で終えた先輩たちの思いを背負ったが、新チーム最初の公式大会は初戦負け。「俺は何をしているんだ」と不甲斐なさと申し訳ない気持ちを練習にぶつけた。冬場の練習では毎日1000スイングを課し、多いときは2000スイングを超えることもあった。
鬼気迫るキャプテンの素振りに、周りも徐々に感化され、競うようにバットを振った。「気づいたら、みんな一緒にバットを振っていた。このチームは自分が何か言う前に動く。僕は何もしていない」と話すが、自らが先頭に立って動くことで周囲を引っ張っていることは間違いない。「やり切ったと思えるからこそ打席に立っても不安はないし、自信となっている」と立山。今大会の藤蔭は打席に立つ選手に迷いがなかった。「常に次の塁を狙ってくる打線と印象づけることができた」と竹下監督。それはキャプテンが先陣を切って突破口を開いたからに違いない。「3連覇してくれ」。毎日この言葉を思い出し、練習では全力を出し切る。1年越しの夏の甲子園に向けて、リードオフマンはチームの核弾頭となる。
夏の大会は3連覇を目指す
(柚野真也)