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県高校新人大会 バレーボール男子 勢力図を動かす竹田の快進撃 【大分県】

県高校新人大会 バレーボール男子 勢力図を動かす竹田の快進撃 【大分県】

 県内男子バレーボールの勢力図が揺れ動いた。県高校新人大会で、竹田は準々決勝で別府鶴見丘をフルセットの末に撃破し、ベスト4進出と九州大会出場権を獲得した。ここ数年、顔ぶれが固定化されていた「県内4強」に、新たな名が刻まれた瞬間だった。

 スコア以上に価値があったのは、その勝ち方だ。第1セットをデュースの末に落としながらも、動じることなく立て直し、第2、第3セットを取り切った。「またいつもの流れかなと思った」。そう振り返る熊谷陸監督の言葉が示すように、これまでなら崩れていた場面で、今年の竹田は踏みとどまった。

県高校新人大会でベスト4に入った

 変化の背景には準備の質があった。熊谷監督はこの県高校新人大会を「最大のチャンス」と位置づけ、準々決勝の別府鶴見丘戦だけを見据えて逆算してきた。戦術面では相手のミドル攻撃を警戒し、サーブで崩して攻撃をサイドに限定する明確な狙いを設定。狙いは的中し、ラリーの主導権を握った。

 同時に力を注いだのがメンタル面の強化だった。練習には呼吸法やイメージトレーニングを取り入れ、選手に「土壇場でどう振る舞うか」を刷り込んできた。体育館の音、匂い、空気感まで想像しながら得点場面を描く。地味だが、確実に効く積み重ねが勝負どころでの我慢強さにつながった。

 象徴的存在がエースの荒巻大雅(2年)である。得点源としてトスが集まり、相手のマークも集中する中で、身体は常に限界に近かった。フルセットにもつれ込んだ準々決勝では、終盤に足がつりかけながらもベンチに退くことはなかった。荒巻は力任せに打ち抜く道を選ばない。強打だけでなく、ワンタッチやブロックアウト、時にはコースを突く一打で流れを引き寄せる。勝負どころで求められる「決め切る責任」を、自ら引き受け続けた。その背中は「逃げない姿勢」を無言で示し、チームに覚悟と指針を与えていた。

エースとして勝利に貢献した荒巻

 もっとも、竹田の躍進は突出したエースだけによるものではない。コートに立つ選手の半数以上は、高校からバレーボールを始めた経験の浅い選手たちだ。だからこそ熊谷監督は、難しいことを排し、「拾って、つないで、託す」というオーソドックスな形を選んだ。分かりやすさを突き詰めた結果、チームは一つの型を手に入れた。

 準決勝、シード決定戦では力の差を突きつけられた。それでも、この大会で得たものは大きい。「画面の中で見ていたような相手と同じ舞台に立てた」。熊谷監督の言葉通り、竹田はすでに次の景色を見据えている。初めての九州大会は2戦全敗に終わったが、荒巻は「経験を積み、次の県内の大会でも4強に入れるような試合をしたい」とチームの思いを代弁した。


(柚野真也)

大会結果